第71話 デニムの予感 ページ29
目覚めは最悪だった。
ーー昨日カクがあんなことをするからだ…。
昨日は能力が分かり安心したのもつかの間、何故かカクに唇を奪われ、更に男として見ろなんて言われ、私にしては結構効いていた。
そのせいでろくに眠れなかった。私の能力は肝心なところで発動しなかったようだ。
欠伸をしながらリビングに行き、コップに水を汲んで飲んだ。
｢…起きたか。｣
『っぶふぅ！？』
水を含んだ時声をかけられ思わず吹き出してしまった。
『な、なんでいるの！？カク！！』
カクは、ソファに座って呑気にコーヒーを飲みながら更に新聞なんて読んでいた。私の部屋で。
｢…Aが起きるのが遅いから様子を見に来たんじゃ。寝てたから起こさんでおいた。｣
『だからってずっと部屋にいなくても…。』
言ってからハッとする。これじゃあ、まるで私がカクのことを意識しているみたいじゃないか。
いや実際意識はしている。
｢なんじゃ、お前にしては珍しいのう。そんなことを気にするなんて…。｣
ニヤリと笑うカク。
ーーあ、これは確信犯だ。
『…着替える。』
今度は落ち着いて答えたが、カクは笑っていた。
今日の予定を聞くと、カクと私以外は既に出かけているらしく、暇なのは私たち二人だけらしい。
｢そして重要な話がもう1つ。今日の夜アクア・ラグナが来るらしくてのう。一旦この宿を出なくてはいけなくなった。｣
『アクア・ラグナ？』
そんな当たり前のように言われても私は知らなかった。
｢なんじゃ、知らんのか。街に出れば嫌なほど耳に聞くはずじゃが…。｣
『…。』
どうやら私に諜報は向いてないらしい。
聞けばアクア・ラグナとは、W7に毎年来る高潮だという。
｢今日はわしと一緒に行動じゃ。物資を列車に運ぶぞ。そんで非難。｣
カクはそれだけ言って私の部屋から出ようとする。置いてかれるのかと思い思わず声をかけた。
『え、行っちゃうの？』
｢…着替えるんじゃろ。｣
『…そうでした。』
引き止めてしまったのを恥ずかしく感じながらすぐに支度をして出た。
カクは仮面は被ってなかったが、黒の帽子を深く被っていた。
私は、
ーーパウリーに言われて買った、デニム。調子いいなこれ。
この前買った新しい服を着たことで少なくとも気分は上がっていた。
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アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます！コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります！ (2019年10月12日 17時) (
レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…！毎回キュンキュンさせてもらってます！更新頑張ってください！ (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます！続けてみてくださっていてとても嬉しいです！頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください！！！ (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アタル | 作成日時：2019年10月7日 0時
