第60話 問題発生 ページ18
カリファさんは最後まで私と行こうとしたが、私が引くことはないと分かったのだろう。
カリファさんは折れて、別行動となった。
「…気をつけて。」
心配そうな顔をしたカリファさん。あなたの方が大変だろうに…。
『カリファさんも。』
そう言って手を振り別れた。
「さて、と。」
カリファさんを何とか納得させた私は、
ブルのおじさんに謝りに向かう。
ーーー
「…まあ、買取りだよね〜。」
『…そうなりますよね…。』
私は何故そうなると考えなかったのだろう。
謝ったまでは良かったものの、そんなお金は持ち合わせていない。今度はお金を持っていないことを謝らなくてはならなくなってしまった。
「え、何。お嬢さん、お金、持ってないの?」
『…。』
「だったらしらばっくれて逃げるもんだよ?普通。」
わっはっはと笑われる。
ーーそりゃ、そうよね…。
おじさんが呆れてものも言えなくなった時、
「ンマー…何だ、問題発生か?」
「…アイスバーグさん!」
おじさんにアイスバーグさんと呼ばれた男は遠慮気味に話しかけてきた。
『…あなたは?』
つい聞いてみると、おじさんが教えてくれた。
「この人はね、もうすぐでかい会社の社長になる方だ。今W7(ウォーターセブン)はその話でもちきりさ。」
『…へぇ。すごい人なんですね。』
「ンマー、照れる。」
そういう彼は全く照れた様子はなかった。
私はそんな彼を見ながら考える。
ーー社長…どっかで聞いた話だなぁ…。
「…それより、何で揉めてたんだ。」
私の考えは彼の言葉で消えた。
『…実は…。』
私はヤガラブルを借り、紛失したことを話した。
「ンマーー…それァ災難だったな。W7には観光で来たんだろうに。そんな散々な思い出ばかりじゃ嫌だろう。」
そう言うとアイスバーグさんはおもむろにポケットから財布を取り出す。
「ヤガラは俺が買い取る。」
『…!?いやいや、悪いです!そんなこと…。』
「ンマー、じゃあなんだ。買取る金でもあるのか?」
『…それは…その。何とかしますから…。』
私がごにょごにょ言うと、
「気にするな。困った女性を放って置けない性分でね。」
ーーサラッと流されてしまった…。
見上げると彼はフッと笑った。
323人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます!コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります! (2019年10月12日 17時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…!毎回キュンキュンさせてもらってます!更新頑張ってください! (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます!続けてみてくださっていてとても嬉しいです!頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください!!! (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アタル | 作成日時:2019年10月7日 0時