第55話 奇妙な出来事(カクside) ページ13
カクside
造船場に腕と顔を売りに行った。多少手応えはあった。何より童心に戻った気分だった。
ーこれなら入社は大丈夫そうじゃな。
造船場の大工らと別れ、街を歩いて回る。
ルッチは1番ドックに行くと言っていた。あいつの事だ、一目置かれていることだろう。
少し気がかりなのは、最近のルッチは、心はともかく、身体に負担がかかっているという事。
最近立て続けに司令が入ることがあった。ルッチなら問題ないだろうと誰もが思っていたが、どうやらそうではなかったみたいだ。
ーーあいつが寝坊なんての…。
たとえ六式を極めたものでも、体調は崩れるのかと少し苦笑する。
ーーあんな奴でも人の子か…。
今回ウォーターセブンへの事前調査という名目でここに来ているが、休めと言って休む男ではないルッチに休息をと、わしらが長官に頼んだのだ。
司令を続けて出したことを少し気にしていた長官はわしらの頼みを受け入れ、更に最近の任務はジャブラ達、一年後に長期任務を課せられて居ないやつに回してくれている。
ジャブラ達は少し嘆いていたので、それはそれで心配だが…。
そんなことを考えていると少し商店街がざわついていた。
その辺の人に話を聞けば、ヤガラブルを奪われた少女が裏町に走っていったと言う。
そこに落ちた紙袋。そこには買ったばかりであろう女物の服が入っていた。
ーー嫌な予感しかせんのお…。
わしはその紙袋を持ち、裏町の場所を聞き、向かった。
着いてみれば案の定Aが男に組み敷かれていた。
ここに来て殺し屋としての冷静さが戻ってきたようだ。
わしは仮面をつけ、男に近寄る。
『ーーやだ!やめてよ!』
Aがそう言った瞬間、Aの上に股がっていた男が倒れ込んだ。
ーー?何だ。
カクはまだ手を出していないのに男が急に倒れ込んだのだ。
Aと目が合う。
次は確実にこの手でもう一人の男を殺した。
Aに待って!と言われたがそんな事は出来なかった。
Aは恐怖なのか、安心したのか、よく分からない表情をしたと思えば、ごめんなさいと謝り気を失ったように倒れた。
Aを宿屋に運ぶ途中、あの奇妙な出来事を思い返す。
ーー…これは帰ったらみなに報告じゃな…。
Aが眠る頃。Aの部屋で話をしていたルッチ以外の諜報部員は、Aについてもっと知る必要があるのではと、少し深刻そうな顔をしていた。
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アタル(プロフ) - サクラさん» サクラさん、ありがとうございます!コメントで感想を送ってくださると本当にやる気が出ます。自分で始めたので頑張るというのもなんか変な感じですが、頑張ります! (2019年10月12日 17時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - カクもルッチもカッコいい…!毎回キュンキュンさせてもらってます!更新頑張ってください! (2019年10月12日 16時) (レス) id: 2be65d96af (このIDを非表示/違反報告)
アタル(プロフ) - akane10746さん» 前回からコメントありがうございます!続けてみてくださっていてとても嬉しいです!頑張ります。 (2019年10月8日 13時) (レス) id: e103d991e7 (このIDを非表示/違反報告)
akane10746(プロフ) - 毎回面白いです!更新頑張ってください!!! (2019年10月8日 9時) (レス) id: 38a8873821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アタル | 作成日時:2019年10月7日 0時