星13個 ページ13
.
合同任務から二日、蝶屋敷で手当てをしてもらった私は、甘味処で団子を食べていた。
お館様の計らいで三日の休みを貰ったので、申し訳ないと思いながら甘えさせてもらっている。
昨日は無理を言ってあの島に戻り、すっかり片付いてしまった神社の前で手を合わせて帰る。それで一日が終わってしまった。
最後の一本を頬張りながら、今日は何をするかを考える。
……もっと強くならないとな。
あの島で思い知った。もっと強くならないと、人を守りきれない。
あの鬼は数字をもっていなかった。それでもあんなに追い詰められた。
女だから、子供だから、そんな事で止まっていられない。
お代を給仕さんに渡して、町を歩く。
人の多さに酔いそうになりながら、進み続けた。
まずは何をしよう。
もっと動けるように走るべきだろうか、正確に狙えるように素振りを行うべきだろうか。
いろんなことが頭に浮かぶ。
「あ、Aちゃんだ!!」
遠くで声がした。
この声聞き覚えがある。
「甘露寺さん!!お久しぶりです!!」
そこには甘露寺さんが、笑顔で手を振っていた。
私は少し、いやかなり嬉しくて駆け寄る。
「あれ、髪の毛切ったの!?似合ってるよ!」
「ありがとうございます!甘露寺さんは今日も美しいですね!」
「やだもうAちゃんったら!」
コロコロと表情が変わる甘露寺さん。彼女を見ていると不思議と温かい気持ちになれる。
強くて、優しくて、綺麗な彼女は私の憧れの人だ。
「そういえば、この間お饅頭が美味しいお店を見つけたの。この後任務が入ってるから、今日は行けないけど、今度一緒に行かない?」
「行きます!是非ご一緒させてください!」
断る理由も迷うこともなかったから、私はすぐに返事をした。
近いうちに、甘露寺さんともう一度会えると思うと心が踊る。
「じゃあ、また今度ね〜!!」
「はい!任務頑張ってください!」
バイバイと手を振りあって、甘露寺さんは任務に行かれた。
彼女に会えたし、今日はいい日だ。
121人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
☆カペラ★ - こんばんは、これめっちゃ良い話ですね!ハマりました!!時透君カッコいい!!更新頑張ってください! (2020年1月14日 21時) (レス) id: 04526cdaa3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:コゲパンです。 | 作成日時:2019年9月7日 23時