不味い ページ1
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「先輩、何してんすか」
『あ、永瀬だ。先生には内緒だよ』
1月の終わり。
どうも教室の篭った空気に耐えられず、どうせ期末前で自習だしと抜け出してやって来たグラウンドの隅のベンチ。
教室や職員室からは完全な死角で、フェンスの下に広がる街を見下ろせるこの場所は、サボるにはうってつけの特等席だ。
だからなのか、サボろうとやってきても先客がいることはまぁまぁある。
そんなときは先客に気づかれないように場所を変えるのだが、今日は違った。
そこのいるのがA先輩だったから。
そしてその先輩がタバコを吸っていたから。
スポーツコースや看護コース、特進コースまで多種多様な生徒がいるこの高校の、3年生の学年1位であるA先輩。
進路はもちろん大学進学で、我が校初の東大合格かと先生や後輩が噂しているA先輩。
勉強はできるが運動がからっきしのA先輩。
頭が良いのも鼻につかない明るさと優しさを持ったA先輩。
スカート丈は校則を守り、髪も鞄も爪も、全て完璧な優等生のA先輩。
そして俺の片思い相手のA先輩。
そんな先輩が今、目の前でタバコを咥えて空を仰いでいる。
かなり荒れていた1年の俺を、叱って励まして更生させた先輩がなぜタバコを吸っているのか、理由は聞かなくても嫌という程思いつく。
1年前、俺を更生させるとき、先輩は言った。
−−−−『更生しろとは言ったけど、優等生にはなっちゃダメだよ。勉強よりも社会に出て役に立たないから』
無駄無駄と遠くを見つめながら俺にこぼしたこの言葉は、きっと先輩が一番俺に伝えたかったことだったのだろう。
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ぱぴこ(プロフ) - ルール嫁さん» ご指摘ありがとうございます！他の作品と同じ設定にしていたため気づきませんでした…申し訳ありません！作品を非公開にしましたので、今後ともよろしくお願いします！ (2019年6月29日 2時) (
レス) id: 1c0a7a2bdd (このIDを非表示/違反報告)
ルール嫁 - 占ツクのルールはご存知ですか？行為は匂わせるだけでアウトです。裏表現があるなら注意書ではなくフラグをたててくださいね。 (2019年6月29日 0時) (レス) id: 64f9aae3e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱぴこ | 作成日時：2019年6月19日 6時
