Myosotis scorpioides【A3!】 (ページ45)

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よんじゅうさん㌻ページ45

「わぁ...凄いね！」

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幸くんに言われて入った一軒の服屋さん。そこは幸くんみたいなフリフリめのロリータ服とかが多く置いてあった。

着るのは無理だが、こういう服を見るのが好きな私にとっては目から鱗のような光景で。

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思わず感嘆の声を上げると「恥ずかしいから黙ってて」なんて一蹴されてしまった。

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そのまま幸くんと一緒に買うものを探した。

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そうして30分くらい経つと、私は一つの服に目を奪われた。

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「わ、可愛い...」

花柄のワンピースに、茶色のミニジャケット。

長い紐のバッグ、茶色のブーツ。

それらが無機質なマネキンに着せられていて、思わず足を止めてしまう。

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私的にはあまりフリフリは似合わず、こういうシンプルな方が好んで着ることが多いのだ。

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「何してんの？」

「ゆ、幸くん！！えっと、」

ぼーっとマネキンを凝視しているといつの間にか買い物を終えた幸くんに声をかけられる。

思わず心臓が縮んで、びくりと肩を揺らして振り向く。

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すると、幸くんは首をかしげて私の見ていたマネキンに視線を移す。

「なっ、なんでもないの！帰ろっか____」

慌てて、マネキンの前から退こうとすると幸くんに手を掴まれる。

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「着て見たら？」

「えっ」

＊＊＊

「ど、どうかな...？」

私は試着室の外で待っていた幸くんに、自分の格好を見せる。
あの後、結局半ば強引にいいくるめられたんだよね...。

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「___ま、いいんじゃない？」

幸くんは私の姿を見て、満更でもなさそうな顔をしている。
似合っていないとか言われたらどうしようと思っていたので、ひとまずホッと胸をなでおろした。

「よかった...もう満足だしこれ返して、帰ろっか」

「買わないの？」

「無駄遣いは良くないからね、我慢するよ」

付き合ってくれてありがとう、と笑いかけると幸くんは不満げな表情を見せ、

「じゃあオレが買ってあげる」

「えええええ！！ダメだよ！！中学生に払わすなんて！！！」

と、財布をカバンから取り出そうとする___のを必死で止める。

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「なんで？」と不満そうに口を尖らず幸くんを何とかおさめると足早に服屋さんを出た。