FILE.102 落ちないカゴと彦星の手 ページ2
私が今ドアを開けたら、キッドまで外に出られてしまう。外側からの開閉は次郎吉おじさまの指紋認証が必要だからすぐに閉めることも出来ない....
そうなってしまえば作戦は失敗に終わる。
キッドをこのエレベーター内に閉じ込めていることが作戦成功の前提条件なんだから...
キッドがここで捕まるのは、1人のファンとして阻止したい___けど、私の''ミス''でキッドを逃がしたとなれば、あとでどんな仕打ちが待っているかわからない....
コナンくんの尊厳のためにも、このペンダントは渡せないし....
ど、どうすれば.....
キッドは、状況を理解して抵抗しなくなった私の手を離し、ポケットからリモコンを取り出した。
『それ___！次郎吉おじさまが持ってたはずじゃ...』
「ええ、拝借しました。」
『拝借！？』
キッドはそのリモコンを私に見せつけるように持ち、当たり前のように降下ボタンを押した。
えっ？
『え、それ、降下___』
今1階に行ったら警備員がいるって....
ﾊﾟｼｭｯｯｯ____
私の言葉を嘲笑うように、キッドはそのリモコンを空中に投げ、それをトランプ銃で撃ち抜いた。
ハートのAのカードが突き刺さったリモコンは、そのまま真っ二つに割れ、それと同時に、ガタッと音を立ててエレベーターが止まった。
『わっっ！』
衝撃で体制を崩した私を、キッドが支える。
「手荒な真似をしてしまい申し訳ありません、お怪我は？」
『いっいえ、大丈夫ですから...』
かっ......けえ.....
惚れるわこんなん....
エレベーターは、ちょうど1階と2階の間で止まった。
50cmほどの厚みのある床の断面が目の前にあり、上にはこちらを覗くコナンくんが、下にはこちらを見上げる中森警部らが見える。
「さて、織姫様....」
そう言って手を差し出してくるキッド。
たとえかっこよくても...
『....ペンダントは絶対渡しませんからね！！』
「いえ、その宙に美しく咲き誇る金木犀が、目当ての品でないことは確認済みです....」
『えっ？』
「私があなたを引き留めたのは他でもない......''お分かり頂けますね''？」
________。
やっぱり.....やっぱりそうだったんだ....。
「ここではなんですから、場所を移しましょう。手をお取りいただけますか、姫？」
私はキッドの''言いたいこと''がわかっていた。
いかないわけにいかないことも理解出来た。
そっとキッドの手を取る。
「少々強引な連れ去り方にどうかお許しを。掴まってください。」
FILE.103 グロック17→←FILE.101 開かないドアと織姫の罠
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凛音 - 面白かったです！でもこれで終わりなのが寂しいです。 (10月8日 20時) (
レス) @page23 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴん(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！大変だとは思いますが、更新楽しみに待っています！！ (2023年5月11日 18時) (レス) @page23 id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
アリアス - 凄く面白いです。Twitterフォローさせて頂きました。固ツイの部屋の情報とてもありがたいです。更新無理なさらず……楽しみにしています (2022年7月4日 19時) (レス) @page37 id: 14e0364a88 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - すごく面白いです！！ 第1話から ぶっ通しで読んで 気づけば朝になってましたw 更新停止なのが勿体ない！続きが書かれる事を願ってます (2022年4月28日 7時) (レス) @page37 id: 41374f889f (このIDを非表示/違反報告)
こぎつね(プロフ) - すごく面白いです！1章から一気に読んでしまいましたw更新楽しみにしてます！ (2022年3月15日 10時) (レス) @page37 id: b879b0bfc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+G | 作成日時：2021年8月16日 11時
