Player~気がついたら能力者でした~

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教室に戻ると既に、数学の村本先生が来ていた。しかし、授業はまだ始まっていない。
一回席替えをした為、琳の隣ではなく、あまり仲良くない男子の隣である。正直、話しやすい琳の横が良かった。が、班員に恵まれたのであまり気にしていない。

数学は何事もないように始まり、何事もないように終わった。ただ一つ問題があるとすれば、宿題が多かったことくらいだ。
次の授業＿6限は学活である。5,6限と村本先生の授業を受けるのはもう慣れた。数学の授業の用意を片付けてから、1人考え事をする。

Masterの思考が全く読めないのである。いや、人の思考が読めないのは当然か、と自分で自分に言い返す。1stの時に、missionを進みMasterの目的を知ることを決意した私にとって、3rdの意味は重要なのである。だが、何もわからない。全てが行き止まりの迷路のようだ。

「6限はレクをします。ですが、その前に聞きたいことがあります」
村本先生がレクに使うグッズを入れていた籠をゴソゴソと探る。「あった」と言い取り出したのは、見たことがあるものだった。
「みんな、コレを見たことはあるか？見たら静かに、顔を伏せてほしい」
それは、黄色のリストバンド、つまりPlayerになってから貰えるものであった。逆を言えば、Playerにならないと貰えない。つまり、先生もPlayer…！

「では、このリストバンドを見たことがある人は、静かに手を上げて。」

私は、静かに手を上げた。このクラスには一体何人がPlayerになったのだろうか。数十秒後、「下ろして」という声が聞こえると、私は目を上げた。

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