たびだちの ぜんじつ ページ6
一年掛けて再びカントー地方を巡った。
あの頃の私は、二人から離れたくないという気持ちだけで旅していたから、旅の理由を見つけてから見る景色が変わった。
一度歩いた場所なのに、何故か違う光景に見えたのはやはり捉え方が違うからだろうか。
偶にトレーナーと戦って、自分の実力は並程度はあるんだと実感する。
…まあ、「チャンピオンになる！」って言っていた二人のそばにいただけはある…かな。
「A。どの地方に行くつもりなの？やっぱり隣のジョウト地方かしら？」
現在 自宅
他の地方に旅立つ前くらいは家で過ごしたかったから、家に帰ってきていた。
膝の上ではロコンが身体を丸めて眠っている。
「いいや。博士の先輩にあたる人がいる『シンオウ地方』に行くよ」
お母さんの言葉にそう返答する。
数日前まではジョウト地方に行くつもりだったのだが、博士から連絡を貰い、シンオウ地方に行ってみないかと言われたのだ。
因みに博士はお母さんから電話番号を聞いてかけてきたらしい。
「シンオウ地方…。きっと、遠い場所なんでしょう？」
「そうだね…。私のカイリューに乗ってでも数日かかると思う」
お母さんの言葉にそう返す。
カイリューは私の手持ちの一体だ。
カイリューとはミニリュウの時に出会った。
怪我しているところを保護したところ、懐いてしまったのでそのまま手持ちに加えたのだ。
博士によると、このポケモン目撃情報があまりなくレアなポケモンなんだと言う。
「…あ、そうだ。お母さん」
「なーに？」
「無理を承知でわがまま言って良い？」
「…内容によるわ」
お母さんの返答に少し焦るが、わがままを口に出す。
「＿＿＿この子達を、預かって欲しい」
そう言って机の上に6個のモンスターボールを置く。
当然、お母さんは目を見開いて驚いている。
「他の地方に行けばきっと新しい出会いがある…。その出会いで感じる楽しみを味わいたいんだ。あ、この子達のことが嫌いになったわけじゃないの！ そこは勘違いしないでっ」
「…貴方が育てたポケモンなら賢い子が多いだろうし、許可しましょう」
お母さんの言葉に嬉しい感情がこみ上げる。
「何となくだけど、これからどんどん増える気がするわ…。まあでも、何かあればオーキド博士を頼れば良いし…。わかったわ、貴方の代わりに面倒を見てあげましょう」
そう言ってお母さんは困ったように笑った。
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恵野(プロフ) - 羽月さん» コメントありがとうございます！ あ、匂わせに気づいちゃいましたか？ 続編の方でちょっとしたヒントを出す予定なので、宜しければどんな過去があったのか予想してみて下さい！ (2021年10月9日 23時) (
レス) id: 1b995d487b (このIDを非表示/違反報告)
羽月(プロフ) - え、もうめちゃくちゃ好きです！主人公は過去に何かしらあったんだなぁ程度の匂わせで、すぐには公開しないところがめっちゃ好きです！ (2021年10月9日 23時) (レス) @page50 id: 9c44afdfe5 (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 黄桃さん» コメントありがとうございます！ 完結なんて何十年後になるやら……(遠い目) これからもこの作品をよろしくお願いいたします…！ (2021年10月9日 19時) (レス) id: 1b995d487b (このIDを非表示/違反報告)
黄桃(プロフ) - この作品大好きです！完結するまで一生見ます！ (2021年10月9日 14時) (レス) id: 5438a1cd42 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 恵野さん» 分かりました。お休みなさい。 (2020年3月31日 22時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年2月17日 22時
