いっぴきおおかみで きらわれもの ページ38
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「……ムックル?」
頑なに群れを見ないムックル。
どうしたんだろう……そう思った時だ。
「? どうしたのコリンク」
急に吠えだしたコリンク。
彼の見ている方へ視線を向けると、そこにあった光景は……。
「な、何!?」
何とこちらにムックルの群れが向かって来ているではないか!
このままじゃ冗談抜きでまずいことになる!
「コリンク、スパー……ムックル!?」
コリンクに指示を出そうとした時、腕に止まっていたムックルが群れへ飛んでいったのだ。
単独であのムックルたちに勝とうと言うのだろうか。
「……無茶だ」
本来なら私とあのムックルは先程出会った一瞬の関係で。
野生の関わりに手を出すのは危険である事は分かっているつもりだ。
……でも、あのムックルはきっと仲間はずれにされてしまったんだろう。野生の中ではよくあることだ。
「……っ」
あのムックルは他のムックル達より強いようだ。
だけど、いくら一つが強力な存在でも、数が多ければその力は抑えられてしまう。
……ほら、ムックルが押されはじめた。
「……コリンク?」
私の前に出てコリンクはこちらを振り返った。
その表情は「助けなくていいのか」と言っている様に見えた。
「……そうだよね。一瞬だけの関わりだけでも、助ける理由になる!」
コリンク!と指示を出せば、コリンクは電気を纏いながら駆けて行く。
「”スパーク”!」
青色の稲妻を纏い、コリンクはムックルへ技をぶつけた。
ムックル達は突然の乱入に驚いたようだが、すぐに標的をコリンクへ変えた。
「コリンク、殿をお願い!」
コリンクは「任せろ!」と言うように返事をした後、向かってくるムックル達に”スパーク”で迎え撃った。
その隙にムックル達によって怪我をしてしまったムックルの元へ向かう。
「大丈夫!? 今手当てするから……!」
ムックルを抱き上げ、傷薬を使う。
薄らと目を開けてこちらを見上げるムックルに声を掛けながら手当てする。
「……よし。これで大丈夫よ」
ムックルの手当てが終わったと同時に、ムックル達の鳴き声が聞こえなくなった。
視線を向けるとどうやらコリンクが1人で全員を圧倒したらしい。……いくら電気タイプで相性が悪いとはいえ、まさか本当に全員を倒しちゃうなんて。
「コリンク、お疲れ様___」
コリンクに労りの声をかけようとした瞬間、コリンクの身体が輝き始めた。
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恵野(プロフ) - 羽月さん» コメントありがとうございます! あ、匂わせに気づいちゃいましたか? 続編の方でちょっとしたヒントを出す予定なので、宜しければどんな過去があったのか予想してみて下さい! (2021年10月9日 23時) (レス) id: 1b995d487b (このIDを非表示/違反報告)
羽月(プロフ) - え、もうめちゃくちゃ好きです!主人公は過去に何かしらあったんだなぁ程度の匂わせで、すぐには公開しないところがめっちゃ好きです! (2021年10月9日 23時) (レス) @page50 id: 9c44afdfe5 (このIDを非表示/違反報告)
恵野(プロフ) - 黄桃さん» コメントありがとうございます! 完結なんて何十年後になるやら……(遠い目) これからもこの作品をよろしくお願いいたします…! (2021年10月9日 19時) (レス) id: 1b995d487b (このIDを非表示/違反報告)
黄桃(プロフ) - この作品大好きです!完結するまで一生見ます! (2021年10月9日 14時) (レス) id: 5438a1cd42 (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 恵野さん» 分かりました。お休みなさい。 (2020年3月31日 22時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恵野 | 作成日時:2020年2月17日 22時