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『あのさ』

…あの時、俺は。


『大輝くん飲んでます?』

『明日が休みなら記憶飛ばしたいくらい飲みたい。』

『ちょ、怖!どうしたんすか!』

大輝のせいで残業、なんて何気なく里紗が言うから。
その言葉が冗談で出たものだと分かっていても
気になってしまって。

飲み会の後、二次会に連行される前に。
コンビニで買い物をして、会社に戻った。

居なかったから帰ればいい。
そう思いつつも。
デスクで机に突っ伏す里紗を見つけて、
ちょっと嬉しかった。

だけど、そのサラサラの髪を見る度に、
頭に浮かぶのは幼馴染くん、のことで。

あー何か、すっげえむかつく。

『…あのさ』

考えるより先に、口から出た言葉。
髪に触れれば、頬を染めてこっちを見る里紗。

あ、ダメだわ。
何かがぷつり、切れたような気がした。

『もしもし大輝くん!?』

だから、そのタイミングで電話を鳴らした想太に、
今はちょっとだけ、感謝してる。

あの電話が無かったら、言ってしまっていた。

『あのさ』

「な、なに」

そのあとに、俺は。

『好きって言ったら、どうする?』

その言葉を、頭の中に、用意していた。

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あかり(プロフ) - 。さん» はじめまして!そう言っていただけて嬉しいです!励みになります。これからも最後までお付き合いください◎ (2017年10月25日 8時) (レス) id: 7a52df4d5b (このIDを非表示/違反報告)
- すごく凄く面白くて表現がとても綺麗で読んでいてきゅんって、できるような作品でとても好きです。 (2017年10月25日 0時) (レス) id: ff129d1410 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あかり | 作成日時:2017年9月24日 0時

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