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…
「良かったって何で?」
オムライスを食べながら、
そんなふうに聞いてきた里紗を見て、はっとする。
『里紗に彼氏が居るなら、こうやってご飯とか、
家に行くのあんまり良くないのかなーって!笑』
「そんなの、全然いいのに」
『ふーん、じゃあ住み着いちゃおうかな〜、なんちゃって』
上手く誤魔化せたし、何の気にも留めてないだろうけど。
…
『…そろそろ、気付いてくれても良くないっすか!?』
『ちょ、落ちつけって颯』
ゴトン、とお酒の入ったジョッキを机に置けば、
徹くんがそんな風に言って俺をなだめた。
気付いて、なんて里紗には言えないけど。
もう何かこのままでも幸せだけど、
でも。このままじゃいけないような気もして。
モヤモヤする気持ちを徹くんと雄大くんにぶつける
とある仕事帰りの夜。
『会う前は、ただの興味だったんです』
10年前、この気持ちに気付いたのは、
俺が引っ越してからだった。
だけど、確証なんて持てなくて、
ただ、幼馴染として、一緒に過ごす毎日が。
無くなったことがただ、寂しいだけかもしれないって思った。
それから、彼女も出来たし、
里紗のことだってたまに思い出すくらい、だった。
はずなのに。
『…ひと目見た瞬間、思い出しました、気持ちを』
時は進んだかもしれないけど、
自分の気持ちが、巻き戻ったのが一気に分かった。
だから、ねえ、気付いて?
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あかり(プロフ) - 。さん» はじめまして!そう言っていただけて嬉しいです!励みになります。これからも最後までお付き合いください◎ (2017年10月25日 8時) (レス) id: 7a52df4d5b (このIDを非表示/違反報告)
。 - すごく凄く面白くて表現がとても綺麗で読んでいてきゅんって、できるような作品でとても好きです。 (2017年10月25日 0時) (レス) id: ff129d1410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかり | 作成日時:2017年9月24日 0時