相反する色とは。 ページ10
No side
___本当に、Aちゃんなの?
敦の口からそんな台詞が零れそうになる。
それを飲み込むかのように、ごくりと喉を鳴らした。
信じたくない。が、信じるしかない。
徳永Aという人間は、裏社会に名を轟かすポートマフィア参謀だ。
本来の、目の前の"敵"。
頭では理解している。
けれど心は理解していない。
『確かに君達とは良い関係を築けていた。けど、それが何?』
Aが発する声が、受け入れない敦の心を抉じ開ける。
『そんなモノで君達を殺す事は出来ないなんて言う程、私は善い人間じゃない。
ポートマフィアを、あの人を護るためならば殺す』
その言葉に偽りはない。
あるのは本気だけだ。
『君を例えるなら純白、なら私は純黒だ』
「純黒...?」
『そう。君が他の色に染められないように、私は自分の色を貫き通す』
凛としたその声に、何も言えなかった。
敦はただ、拳を強く握って携帯の向こうにいるであろうAを視る。
『さぁて、考える時間は十分にあった。社長を渡して平和に終わるか、社長を渡さず殺し合いをするのか。
どうする?』
「......如何すンだい、国木田」
与謝野の焦りが混じった声を聞き、国木田は"理想"と書かれた自分の手帖を見つめた。
___如何する?恐らく敵は万全の構え。しかも犠牲を厭わず突貫してくる。そのうえ此方の異能はバレている。無策で搗ち合えば人死には避けられん。そしてあの参謀が自ら動いているという事は勝算の確率は零に等しい。だがこの土壇場で策など...
「社長は渡さない」
当たり前だと言うように、はっきりとした声。
驚いて聞こえた方を向く。
そこには、携帯を__否、Aを見据える乱歩がいた。
止められない戦争の始まりとは。→←知っている筈なのに、とは。
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玲佳(プロフ) - 凄く面白かったです! (2019年12月31日 19時) (レス) id: 30c7137208 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ちびうささん» そう言っていただけて光栄です。イラスト…!!是非お願いします、ありがとうございます!!待ってます(正座)更新頑張りますね! (2019年1月29日 0時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
ちびうさ(プロフ) - この小説シリーズ面白くてあっという間に読んでしまった、、、。私ツイッターとかでお絵かきしてるのですがよろしければ参謀ちゃんのイラスト描かせていただきたいです!!更新楽しみに待ってます!!! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f5433967f3 (このIDを非表示/違反報告)
はつり(プロフ) - RANAさん» もちろんです!ありがとうございます〜 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 3cbdf99785 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - はつりさん» わざわざありがとうございます!!和装徳永とても嬉しいです!!!おにぎりは森さんに買ってもらったんですね(( ありがとうございます!!もしよろしければ小説に載せたいのですがいいでしょうか? (2019年1月18日 19時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年7月1日 18時