困ったご主人さま ページ7
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｢……まぶし、｣
二日目の朝、カーテンの隙間から射し込む朝日にそうっと起こされた。今までずっと地下暮らしをしていたから朝日を見るなんて随分と久しい。
悪くはない、朝だ。
可愛らしいメイド服に袖を通せば見た目だけはメイドらしくなれた。軽く化粧をして、長い髪を結って、自前の箒は背負って。ほら、何処からどう見たってメイドさん！ なんて、くるり。姿見の前でご機嫌に一転してから部屋を出る。他のメイドさん方とは昨日のうちに顔を合わせているので、朝早くから駆け回っている彼女たちは笑って挨拶をくれた。良い職場である。
慣れないながらも彼女たちに教わりながら朝食を作り、そのさなかでトントンさまの事を聞いたのだけれど、予想通りというかなんというか。彼の生活ぶりは大層酷いらしい。メイドよりも早く起きて仕事をしていたり、夜は遅くまで彼の部屋の明かりがついているとか。目の下ではいつだって隈を飼っていて、年中執務室に閉じこもっているようだ。
それと、彼は食事を残したことがないらしい。それだけが唯一安心出来ることだとメイド長が苦笑していた。
＊
｢トントンさま〜！ 朝ですよ〜！｣
ドンドン、彼の寝室の扉を叩いて声を上げる。返事はない。はて、まさか寝ずに執務室でお仕事を…？ なんてドン引きながらも一応ドアノブを捻ってみると、なんと扉はあっさりと開いてしまう。いくら万全のセキュリティに守られているからと言って寝室の鍵を掛けないのは如何なものだろうか。
開いてしまったのなら中を確認しよう。私は専属メイド、ノックはしたし不審なことはないはずだ。
｢……トントンさま、入りま…ぎょーッ！！？｣
扉を開けて二秒、思わず口からとんでもない悲鳴が出てしまった。だって、まさか、そんな。
｢トントンさまが……死んでおられる……｣
そう、扉のすぐ先で床に倒れ込むトントンさまを発見してしまったのだ。アワワ、どうしよう。二日目にしてまさかご主人さまがお亡くなりになるなんて！ これじゃあ報酬が！ なんとか蘇生を試みるしか、
｢……勝手にころすな…、｣
｢アッ いいい生きておいでですか！？｣
しかし私の悲鳴を聞いて目を覚ましたのか、トントンさまがもぞもぞと動き出し、今にも本当に死にそうな声でようやく返事をくれる。ふらり、よろけながらも立ち上がる彼に駆け寄り肩を貸そうとすれば、伸ばした手は弱々しくも弾かれてしまった。
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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