譲れぬ喧嘩 ページ32
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これは私がトントンさま専属メイドとして多少仕事振りに慣れが見え始めた頃の話だ。
｢ちょ、ちょ、トントンさま？｣
｢……今日という今日は絶対に許さへん…｣
｢悪魔も泣いて詫びるような凶悪面をしておりますが一体どうされたのですか｣
｢粛清の時間や｣
｢は？｣
廊下の掃き掃除をしていたら殺意にも似た雰囲気を纏ったトントンさまがブツブツと何かを呟きながら歩いてきたのだ。それも、何故か右手で剣を引き摺りながら。
｢……ハ！ まさか敵！？ 侵入者ですか！｣
｢敵も同然……叩きのめす……｣
｢な、なんか顔色も相俟ってゾンビのようですね｣
｢A｣
｢えっ、あ、はい｣
そういえば近頃、彼は極稀に私の名前を呼んでくれるようになった。あの日は信用してない、なんて突っぱねられたが、多少歩み寄ってくれている気もして少しだけ嬉しく感じてしまう。
｢お前の力が必要や。手伝ってくれ｣
｢……も、もちろん！ 勿論ですとも！｣
今日という日を私は記念日として脳に記憶した。だってあのつっけんどんが、私を必要と言ってくださったのだ！ メイドとしての成長を心底感じられ、自身の仕事振りに私は感激した。
大袈裟なくらいに首を縦に振って仕込み刀でもある箒をぎゅっと抱きしめた。すっかり彼の専属メイドが板に付いてきた気がする。とはいえメイド業は不得意が多すぎてご迷惑ばかりおかけしているので、今回は存分に自身の得意分野で貢献してみせよう。
＊
殺意を背負ったトントンさまに連れられやって来たのは屋敷の地下にある｢訓練場｣と聞かされていた部屋だった。何でも、暴れたい放題のやんちゃな奴らが屋敷を破壊しないようにと造られた遊び場、であるらしい。私が資料で読んだフューラーファミリーの構成員たちは揃っていい歳の大人だった気がするが。
鉄の扉はこの先が危険地帯であると告げているかのように重々しく、厳重である。成程、ここに敵を閉じ込めたのですね、トントンさま。私は分かったふうに大きく頷き、扉を開いた彼の背からひょっこり、中を覗き込んだ。
｢⎯⎯⎯正直、相手にされへんかもって思っとったわ。何せ人質はエーミールやし｣
だだっ広い訓練場の中、中央で仁王立ちし、私たちを出迎えたのはシャオロンだった。そしてその隣にはゾムと、今回初対面となる金色のツンツン髪⎯⎯⎯コネシマ。更に壁際には何故か簀巻き状態で床に転がされた、これまた初対面の茶髪の男、エーミールがいた。
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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