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｢恐らく君らはいつも彼の隙を狙っていた。けれど彼は引きこもりの癖して存外お強い、そう簡単に隙など見せなかったでしょう｣
｢引きこもりは余計や｣
｢しかし今回は弱そうな女を、足でまといを連れていた！ いくら強くったって誰かを護りながら戦えば隙はいずれ生じる。だから珍しく強気に出てきた｣
その男たちは素性を隠す為のローブを身にまとっていた。そして彼らの尾行はトントンさまが｢よく気づいたな｣と戦い慣れた私を褒めるレベル、素人ではない筈だ。用意周到な布陣、何処までも保身的。極め付けはナイフの男の戦闘能力。
｢正直言って、手数の多さでゴリ押してるだけのド素人！｣
｢ぐ、ッ｣
｢戦闘慣れしていませんね。君らは様子見の駒、前線よりも情報収集等に特化したタチの悪い陰の鼠です｣
トントンさまの銃撃が振り翳されたナイフの軌道を逸らし、私の刀は男の肩を斬りつける。私に飛んでくる筈の他の敵からの銃撃がないのはきっと、トントンさまが既に片付けてくださったからに違いない。流石、仕事がお早い。
ここで私は刀を故意的に手放した。目と鼻の先、男がローブに隠していた目が丸く見開かれているのがよく見える。
｢な、んなんだこのメイド…っ！？｣
｢戦うメイドはお気に召されませんか｣
｢ひ、｣
そうして拳を握り、勢いよく男の顎を殴りあげた。私って実は素手で戦う乙女でして、正直物騒な武器を振るうのは性にあわないのです。
短い悲鳴を残し、勢いよく後ろへ吹き飛んだ男はそのまま路地裏の湿った地面へと沈み動きを止めた。視線で辺りを一瞥すると他の二匹は何処にも見当たらず、後ろで呑気に拍手をしているトントンさまをじとりと見遣る。
｢お見事、強烈なアッパーやったな。そいつに同情するわ｣
｢みすみす敵を逃がしたんですか、トントンさま｣
｢そいつひとりがいりゃ十分やろ｣
伸びきっている男を見て意地悪そうに口角を上げるトントンさまは正直この時ばかりはマフィアらしいと思えた。私も同情するよ、名も知らぬ刺客さん。
｢それより、さっき言った通りこいつらはただの捨て駒。上がいますよ。随分と怨みを買っているようで｣
｢まあ、こんな稼業やし心当たりはごまんとあるけど｣
｢気になるのはピンポイントにトントンさまをつけ狙っている、というところです。何故でしょうね？｣
｢それはお家に帰ったらゆっくり聞くとしようや｣
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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