這い寄る鼠 ページ29
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｢……何でいつも箒背負っとんのかと思ったら、武器やったんかそれ｣
｢メイドたるもの、どんな想定外の中でもご主人さまをお守りできるよう武器のひとつやふたつは持っていて当然です｣
｢俺の知っとるメイドとちゃうねんけど｣
この状況で悠長に私の仕込み刀を眺めるトントンさまはどうやらこんな事慣れっこのようだ。彼の手にはしっかりと拳銃が握られていて、赤瞳は幾らか鋭い。余裕を見せているが警戒は怠っておらず、きっと"見逃す"という選択肢はもう残っちゃいないだろう。
｢トントンさま、彼らをご存知で？｣
｢知らん｣
｢……うちのご主人さまはこう仰っておりますが、君たち一体何の御用があってちょっかいを掛けてきやがったんですかね｣
正面、数メートル先に立つ男へ語りかけてみるも、返ってくる言葉はない。ただ黙ってこちらを睨むだけの人間は少々不気味でもあった。対話は望めない、この先に逃げれば大勢の一般人が巻き込まれてしまうのでその手もナシ。彼らがこのまましっぽを巻いて逃げてくれるなんてのは、
｢いつも見とるだけやのに珍しいこともあるもんやな｣
トントンさまが屋上の方へと一発撃ち込み、それが合図とばかりに刺客らは一斉にこちらへ飛び掛った。逃げてくれる、そんな甘っちょろい可能性もナシだ。
私が刀を振り翳すと同時にトントンさまは数歩退り後方支援に回る。正面の男はナイフ、看板に隠れていた男は二丁拳銃、屋上の奴はスナイパー。中々前衛の私が動きづらい布陣だが、ここはトントンさまのお力を信じるとしよう。
｢いつも、とはっ！？｣
｢同じ奴らかは知らんけど外に出るたび付け回されとった。 けど、それだけやってん｣
｢……ほー｣
ナイフの男は両手に獲物があり、それでいて身軽な分攻撃が素早く、長物の私はこいつ相手でも不利だ。しかし遠距離二匹を牽制しつつ迎撃の隙を生もうとこちらにも弾丸を撃ち込んでくれるトントンさまのお陰で(何度か私の頬を掠めているのは妥協ポイントだろうか)私の切っ先は敵へと届く。
そんな中、微塵も危機と感じさせないような声で話すトントンさまの言葉を聞いて私はひとつ推理をした。そうして閃いた。今回に限って手を出してきたコイツらの行動理由に。
｢女を連れていたから、ですね｣
｢は？｣
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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