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｢私のこと、専属メイドとして認めてくださいましたね｣
｢……認めるもなにも、グルッペンにあそこまで言われてもうたら俺に拒否権なんてないしな。しゃあないやろ｣
半ばやけくそのようで、隠す気もなく大きな溜息を吐いたトントンさまは横目でじとりと私を見る。しかし満腹で幾らか機嫌が良いのか、彼はそれ以上の文句は言わずにそそくさと人気のない路地を突き進んでいった。
｢ところでトントンさま｣
｢……｣
｢あれは、よろしいので？｣
私がそれを問うと、彼は足を止めないまま｢あー…｣なんて空返事だけあげて小首を傾ぐ。
｢あれによう気づいたな｣
｢ドブネズミは鼻が良く効くのですよ｣
｢初めて聞いたわ｣
トントンさまが微かにも反応をみせないものだからまさか気づいていないのか？ と思っていたが、やはり彼は知った上で無視をしていたようだ。⎯⎯⎯屋敷を出てから今の今まで、 私たちをつけ狙っていた鼠の影に。
どちらさまかは存じ上げないが、物陰に潜む追跡者が二…いや、三人はいる。彼の同業者、はたまた私の同業者⎯⎯⎯どちらにせよ放っておいて良いものではないだろう。しかしトントンさまは素知らぬ顔で欠伸すら零していた。
｢ここは一つ、奴らを使って食後の運動とされては如何でしょう｣
｢面倒事は御免や｣
｢……つくづくトントンさまってマフィアらしくない｣
｢そりゃどーも｣
放っとけ、なんて言って彼はやはり足を止めない。食後の運動、大切ですよ。それにストレス発散にもなるだろうに。
｢トントンさまがそう仰るのであれば今のところは見逃しますが｣
｢そうしてくれ｣
｢……でも、｣
ふたりの足が止まる。同時に私は背負っていた箒の柄を右手に握り、引き抜いた。
｢⎯⎯⎯あちらさんは遊びたいって顔、してますよ｣
振り返った瞬間、眼前に迫っていた飛びナイフを箒⎯⎯⎯いや、仕込み刀で弾いた。路地を囲む高い建物の屋上、看板の陰、そして私たちの正面に堂々と姿を現したひとり。やはり刺客は三名、それぞれが獲物を握りこちらへ殺意を向けていた。
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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