名に不釣り合い ページ23
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｢あ。もしかしてあんた、トントンの専属メイド！？｣
｢はい、そうで……ちょっと。何ですかそのあからさまな"期待外れ"みたいな顔は｣
｢いや……まあその通りなんやけど｣
｢マジで拳振る三秒前｣
トントンさまが綺麗に平らげてくれた昼食の食器を腕に抱えて廊下を歩いていた時。不意に明るい声と共にぽんぽん、と背中を叩かれ振り返ると、そこには赤いニット帽を被った男が立っていた。
腹の立つことにこの男、私の顔を見るなり三秒前まで輝かせていた瞳からスンッと光を失せさせたのだ。私に一体どんな期待を抱いていたのは知らないが、失礼極まりない奴である。
｢悪かったって。専属っちゅうくらいやからもっとこう…大人のオネーサン的なのを想像してもうたわ｣
｢遠回しにガキっぽいって言ってます？｣
｢ちんちくりんやなって｣
｢拳振ります！｣
｢ほんまに振るやんコイツ！？｣
躊躇なく振りかざした拳はサッと避けられた。確かに、確かに私の見掛けは"大人のオネーサン"とやらには程遠いかもしれないが、決してちんちくりんではない。ない！ はずだ。
｢変な奴とは聞いとったけど、成程なぁ。あ、俺シャオロン。よろしくな｣
｢A・スィーリア。二十三歳、趣味は呪いの藁人形に釘をカンカン打ちつけることです。よろしくどうぞ｣
｢前言撤回、よろしくするのはやめとくわ｣
｢そう遠慮することはないですよ、シャオロン｣
｢はは、こわ｣
無礼、しかし気さくな印象。マフィアにしては何だか毒気のない笑顔を浮かべる男だと思った。やめとくと言いながらも笑って握手を求めてくる彼は少なくともグルッペンよりかは好感度高めである。
｢あ、そういや大先生もAに会いたがって⎯⎯⎯｣
先生？ 彼の口から出た言葉に首を傾ぐと同時に背後から｢あっ！｣なんて声が聞こえた。シャオロンは｢噂をすれば｣と言ってひらひら手を振っている。
ここで振り返ってまたシャオロンのような反応をされたらキレよう。そうしよう。駆ける足音が近づいてくるうちにそう決意を固め、精一杯の笑顔を浮かべて振り返ってやった。
｢お嬢さん、初めまして。僕は⎯⎯⎯……、うん？｣
｢……私の顔に何か文句でもありますか｣
｢いやいや！ その、思っとったより若い子やなぁって思っただけやで。鬱言います、よろしゅ、い゛たいッ！！？｣
｢……｣
｢えっ、無言！？｣
私は問答無用で差し出された鬱の右手を抓りあげた。
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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