太陽に焦がれる ページ20
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｢そういえばネジの飛んだイカれ女をお前の専属メイドとして雇った。明日から働いてもらう、宜しくしてやってくれ｣
｢……は？｣
グルッペンからそう言われたのは、彼女が俺の部屋の窓をぶち破る一日前のこと。近隣で横行している、同業者による市民への傷害案件について意見していた時だった。ついでのように吐かれたせいで一瞬聴き逃しそうになったが、何とかその言葉を脳に留めて資料から目を離す。
｢いや、なんで？ 専属メイドなんていらんけど｣
｢俺が必要と判断した｣
｢いやいや、大先生じゃあるまいし自分のことは自分で事足りとるわ。今雇っとる使用人さん方が色々気回してくれてはるのもあって、困っとることはないで｣
｢拒否は認めない｣
｢いつにも増して横暴やな……というか、なに？ ネジの飛んだイカれ女って｣
｢そのままの意味だ。あれは中々面白いゾ｣
そいつを思い返したのか、さっきまでのつまらなそうな表情から一転、愉快そうに笑いだしたグルッペンは俺に一枚の写真を見せた。
｢A・スィーリア。隣国パメルの"あの地下街"で何でも屋を営んでいる｣
｢……あの地下街、なぁ｣
写真にいるのは見覚えのあるカフェでケーキを心底幸せそうに頬張る少女だった。いや、成人はしているかもしれないが、グルッペンが目をつけるにしては些か害のなさそうな幼さの残る子だ、と感じた。
地下街。所謂退廃地区というものでそれは比較的どこの国でも見られるが、隣国パメルの地下街と云えば名を聞くだけで裏社会に生きる人間は皆溜息を吐き捨てる。あれ程国に見捨てられ、荒れ果てた地下街はない。そこに住まう人間はどいつもこいつも正気でない、と専らの噂だった。
｢なんでわざわざその、何でも屋とか言うやつに頼んだん？｣
｢ああ、あいつは昔馴染みでな。金に困っているようだから、ちょっとした手助けだ｣
｢……あんたもしかしてその依頼、直接出向いたんちゃうやろな｣
｢……はらがへったな｣
｢おいコラ、ボス？｣
｢あ、安心しろ。ゾムは連れていた｣
本当に、なんて危機感のない男だ。
｢ともかく、俺は専属メイドなんて要らへん。その子には悪いけど断ってくれ｣
｢おい、待てトン氏｣
｢それか大先生とかシャオロン辺りにつけたったら？ 俺より余っ程欲しがるやろ｣
何が嫌、とかそういう訳ではなく、単純に俺には必要が無いと思っての拒否だった。そう、俺は断るようにと言ったはずだ。言ったはずやろが、グルッペン。
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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