これが私の流儀である ページ13
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｢⎯⎯⎯なにがしたいねん、お前はッ！！｣
長い廊下にトントンさまの叫び声と、破壊音が響き渡った。何か危機を察したのか、寝室から逃亡した彼を追いつつ接近した時には拳を振るう。残念なことに私の攻撃は全て躱されているが、足の速さではこちらが勝るようだ。彼に一発を入れるチャンスは幾度も訪れた。
｢っ、認識を"敵"として改める、ええな｣
｢ヤですよ。言ったじゃないですか、私に敵意はありません｣
｢ならこの攻撃に何の意味があんねん！？｣
｢さて、なんでしょね｣
私はあのグルッペンが信用を置く人間。敵と認めるにはまだ迷いがあるのか、彼の銃は何発撃ち込もうが私に当たることはない。しかしアレは流石に危険だろう。この屋敷には一般人であるメイドさん方もいるのだから。
再び訪れる、攻撃チャンス。一気に間合いを詰めて彼の右手首をすかさず捻り上げれば、痛みに表情が歪むと同時に握られていた銃が床へと転げ落ちる。それを片足で遠くに蹴っ飛ばしてやれば遠慮の無い舌打ちが鳴らされた。おお、こわ。
｢クソ、舐めんな…っ！｣
｢おあっ、｣
危険物が手から離れたことの安堵も束の間。大きな手が私の襟首を掴み上げ、そのままぐんっと地面へ首が引き摺られる。鮮やかな足払いまでされてしまって、体勢を崩され柔いカーペットに右肩を強打した。
｢……っ、いいですね。とっても楽しいです｣
｢楽しそうな声には、聞こえへん、けど｣
肩で息をし、逃亡疲れを表情に滲ませるトントンさまが上から地面に転がる私を覗き見る。ううん、やっぱり中々の男前。
危機察知能力、瞬発力、純粋な攻撃力は衰えずとも、日々の引き籠もり生活は体力をしっかりと衰えさせていたことだろう。この攻防はそう長くも続かないはずだ。
｢ええ。実は私、男に転がされるのが世界で三番目に嫌いでし、てっ！｣
｢ッ、！｣
｢肩が痛えですよ、クソが。いやしかしあなたさまはご主人さま、メイドたる私は冷静に、怒りを静めて業務に徹しなければなりませんね｣
疲労でいっぱいの端正なお顔を目掛けて勢いよく片脚を蹴り上げる。しかしやはり寸前のところでトントンさまは躱してしまった。まだまだ元気じゃん、なんて笑いながら勢いを殺さずに後転し、隙を生むことなく立ち上がって再び対峙する。
｢……ははっ。ほんま、あんた…グルッペンの言う通り、イカれとるわ｣
掠れた笑い声。鬼ごっこと言ったのに、どうやら彼は逃亡を止めにしたようだ。
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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