好きの定義 ページ6
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｢そもそもやけど｣
｢うん？っあ"、ちょっ、私のウィンナー！｣
｢お前は俺のこと好きなん？｣
｢たこさんウィンナー！！｣
｢もう食った｣
目玉焼きは案の定失敗した。トントンが。黄身が割れてぐちゃぐちゃのまま固まった目玉焼きを二人で分け合い、ついでに私が作った可愛いたこさんウィンナーとサラダを添えた朝食。
トントンには不細工だと馬鹿にされた、そんなたこの残りひとつが奴の口に飲み込まれてしまった。文句言ってたくせに！……で、トントンは今なんて？
｢食べ物の恨みは怖いぞ｣
｢おー。んで？どうなん？｣
｢なにが？｣
｢俺のこと、好きなんかって。付き合いたいって言うとったやろ｣
｢好きじゃなきゃだめなの？｣
｢何言うとんのお前｣
どん引きやわ、と私へ軽蔑の眼差しを向けるトントンに首を傾げることしか出来なかった。
｢人生二十六年目にして彼女のひとりも作ったことがないトントンの方がどん引き｣
｢ベクトルが違うやろ｣
｢あ、この人いいかもって付き合ってみて、その道中で好きになるんじゃダメなの？｣
｢それで結局いつも捨てられるんやから、その手口やめたら？｣
｢う、｣
確かに。空っぽのお皿を重ねながら私の敗因はそこにあるのか……と唸る。
｢おいこら、トマト残すな｣
｢私の目にトマトなんて見えません。はい、あーん｣
｢……ん。男は選り好みせえへん癖に食べ物は選ぶんか、えらいわがままなやっちゃな｣
｢聞こえないなあ｣
ころころ、私のお皿に転がっていたプチトマトをトントンの口に突っ込む。消えたトマトに満足し、お皿をキッチンへ。後ろから何やら大きなため息が聞こえたが、聞かなかったことにしよう。
｢で。トントンのこと好きかって話だけど｣
｢話戻すんや｣
｢好きだよ｣
がちゃん。シンクにお皿を置いた音がやけに響く。トントンの反応がなかったから、テレビもついていなかったから、不意に途切れた会話に部屋を賑わすものが無くなって酷く静かに感じられた。
沈黙。
居心地が悪く、蛇口を捻りめいいっぱいに水を流す。
｢でも、好きでもトントンとえっちしたい、結婚したい、子供を産みたいーとまでは思わないかなぁ｣
｢………いや素直に幼馴染として、って言うたらええやんか｣
｢まあ、うん。そういうこと｣
ようやく口を開いたトントンが、同時にリモコンを手に取りテレビをつけた。可愛い子犬の映像が流れる。しかし、トントンの顔はじっと窓の外に向けられていた。
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るな？ - 序盤のほうからめっちゃ泣けてました！ドキドキもあるけど感動って作者様神ですか！？ (2022年3月5日 2時) (
レス) @page50 id: 12ba396496 (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き - めっちゃ遅れました。完結、おめでとうございます!!私も、成功するかわかんないけど好きな人に、好きって言う勇気が付きました。ありがとうございます!! (2021年2月3日 19時) (レス) id: 932515d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - もちたさん» もちたさん、こちらこそ最後までお付き合いいただきましてありがとうございます〜！みんなドキドキしてくれ！の精神で書きなぐっていたのでそう言ってもらえてはちゃめちゃに嬉しいです…！本当にありがとうございました！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - ネこさん» ネこさん、コメントありがとうございます〜！イッキ見！楽しんでいただけたようでとっても嬉しいです…！最後までありがとうございました！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
もちた - ちょっと遅れてしまいましたが、完結、おめでとうございます...!こんなにドキドキできた作品は初めてです...本当に...ありがとうございます(た)...! (2021年1月26日 20時) (レス) id: d31df64977 (このIDを非表示/違反報告)
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