闘争は続く ページ13
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あんなこともあったが、私たちの日常へと戻るスピードは早い。何事も無かったかのように夕飯作り、そして部屋の片付けへと各々が戻り、揃って夕飯にありつく頃には未遂事件のことなどすっかり水に流れていた。
喧嘩しようが、振られようが、キスしかけようが、最後はいつも通り。悪くはない。が、釈然としない。
｢トントンって実は私のこと嫌いだったりする？｣
｢嫌いやったらとっくに追い返しとるけど｣
くるくる、明太子パスタをフォークの先に巻きながら、返ってきた言葉にそりゃそうかと頷く。
｢じゃあ好き？｣
｢冷凍パスタも捨てたもんやないな｣
｢ねえ、好きなの？｣
｢あ、グルさんから電話｣
｢無視なの！？｣
｢好きやけど｣
｢ねえ無視しな、……うん？｣
綺麗に纏まったパスタが緩と解けた。
｢好きなの？｣
｢嫌いの反対はそれしかないやろ｣
｢や、まあ、そうだけど｣
｢そんなことよりはよ食ってはよ帰れ。明日も仕事なんやから｣
｢あ、はい｣
嫌いじゃないから好き、なるほど。つまり私と同じく幼馴染として程度に好きということか。ほんの少しだけ心臓が跳ねてしまった。跳ね損である。
トントンは何の気もなさそうにただひたすらにパスタを口へ運んでいる。そんな彼を見つめているうち、なんだか悔しさが込み上げてきた。さっきはあんなうぶで可愛い顔をしていた癖に、今はすっかりすまし顔だ。そんな顔で好きとか言うな、ばか。
｢いつか絶対、本気で好きって言わせてやる｣
｢おー、がんばれ｣
｢絶対だもん。私が負けず嫌いって知ってるでしょ｣
｢……おん。知っとるよ｣
大きく開いた口に最後の一口を放り込む。私も、トントンも、どちらも負けず嫌い。この間の｢幼馴染以上には思わへんよ｣なんて彼が吐いた言葉を私は一生忘れないだろう。
絶対、落とす。そうして私は誰よりも気を許す幼馴染とお気楽円満なハッピーライフを謳歌するのだ。もう、男に泣かされるのは懲り懲りだから。
｢本気で言わせたいんなら、まずお前が本気になったら？｣
｢……私が？｣
｢俺だけは不公平やろ。そう思わん？｣
そう言って彼は目を細め口角を上げる。
私が、本気で？……俺を落としたいならお前が先に落とされろと、そう言いたいのだろうか。
｢いやないかな、それはない｣
｢なら俺も無理｣
｢……不公平がなんぼのもんじゃい｣
知ったことか。また重ねられた拒否の言葉に私はより大きな闘争心を抱えることとなった。
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るな？ - 序盤のほうからめっちゃ泣けてました！ドキドキもあるけど感動って作者様神ですか！？ (2022年3月5日 2時) (
レス) @page50 id: 12ba396496 (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き - めっちゃ遅れました。完結、おめでとうございます!!私も、成功するかわかんないけど好きな人に、好きって言う勇気が付きました。ありがとうございます!! (2021年2月3日 19時) (レス) id: 932515d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - もちたさん» もちたさん、こちらこそ最後までお付き合いいただきましてありがとうございます〜！みんなドキドキしてくれ！の精神で書きなぐっていたのでそう言ってもらえてはちゃめちゃに嬉しいです…！本当にありがとうございました！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - ネこさん» ネこさん、コメントありがとうございます〜！イッキ見！楽しんでいただけたようでとっても嬉しいです…！最後までありがとうございました！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
もちた - ちょっと遅れてしまいましたが、完結、おめでとうございます...!こんなにドキドキできた作品は初めてです...本当に...ありがとうございます(た)...! (2021年1月26日 20時) (レス) id: d31df64977 (このIDを非表示/違反報告)
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