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件の日曜日、鍋パ。

結論から言うと普通に楽しめた。


というのも松田くんと降谷くんが頻繁に喧嘩腰になり時折ヒートアップして胸倉を掴みあったり、

もっと肉食うか?野菜のがいいか?もっと食え食えと伊達くんが何かとご飯をすすめてきたり、

騒がしくてごめんないつもこんな感じなんだと眉を下げる諸伏くんがマイペースに一人黙々とお鍋の中身を減らしていたり、


おそらく通常運転であろう彼らを見ていたらなんだか緊張しているのが馬鹿らしくなり、こちらも気負わず話せることが出来たからだ。


「楽しかった〜」

「よかったねぇ」


そんな彼らも終電の少し前には帰っていった。しかも手際よく使った食器を洗って。

そのおかげで片付けも少なく済み、今は二人でベッドに寄りかかりダラダラとさきほどの時間を思い返している。


「Aは?楽しかった?」

「楽しかったよ。伊達くんが田舎のおばあちゃんのようにご飯をすすめてくれた」

「面倒見いいよなあいつ」


研修中の愚痴や出来事から始まった話は自然と全員共通の研二の話題に移った。


特に警察学校時代の萩原研二モテモテエピソードは興味深くて、

あんたそんなにモテてたのか。さすがモテモテ研二くんだなとご飯がすすんだ。


「煙草吸ってきていい?」

「うん」


立ち上がりベランダに向かう研二の背中を見つめる。隣がぽっかり空いてしまいそれがなんだか寂しくて私も後を追った。


「あれ、来るの?」

「煙草を吸う姿を観察しようと思って」

「なんだそれ」


笑いながら、咥えている煙草にライターを近づけカチッと音が鳴る。


最近吸い始めたばかりなのに手すりに寄りかかって煙をはく研二は驚くほど様になっていて。

引き寄せられるように背中に寄り添ってみる。くっつけた鼻からはほんのり煙草の苦い匂いが抜けていった。


「……苦い」

「離れなよ」

「苦い」


苦い苦いと文句を言いながら研二のお腹に回した腕を強めると笑いながら苦しいと言われた。


「そういえばさ」

「んー」

「あいつら好き勝手しゃべるからAちゃんに知られちゃったなぁ」


わざとらしく揶揄うような言い方。顔は見えないのに研二が今どんな顔をしているのか容易に想像が出来た。



きっと研二がニヤついた顔で思い出しているのは私が今日初めて聞かされた萩原研二の片思い期間の話だろう。

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理那(プロフ) - ありがとうございました。本当に素敵なお話でした。 (2020年7月7日 16時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
かものはし子(プロフ) - お萩さん» コメントありがとうございます(*^^*)頑張っていきます! (2019年5月17日 22時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
お萩 - わー!とっても素敵ですね!ふるやさんこわーい「棒」 これからも頑張ってください (2019年5月17日 20時) (レス) id: c0a94bdd1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年5月16日 3時

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