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車で彼女を送り届けなぜか咄嗟に飲みに行こうと言ったあの日。
あの日から彼女と話すことはおろか会う機会も少なく数回ポアロで接客をしたくらいだったが見かけるたびになんとなく彼女に陰りを感じた。
特に変わりないといったら変わりないと思うが、そもそも変化に気づくほど近しい間柄ではないから何とも言えない。
はっきりとは言えない何か、異物感。引っかかり。
たしかあの日も言いようのない違和感を感じた。だから咄嗟に引き止めるなんてことをした。
色々と悩んだ結果それならいっそ有言実行、飲みにでも誘って探ってみようと行動に移したわけだが。
「懐かしい…ですか？」
最初こそ気まずかったものの飲み始めてから少し経ち酒の力でお互い徐々に素が出始めて思った。
落ち着いてる印象だったが意外と面白い人だとか、人に干渉しないサバサバ系か？とか。
当初の人物像と少し異なり加えて今に至る要因にもなったあの言いようのない彼女に対しての違和感はまるでない。
もはやただの楽しい酒の場だ。
「…酔ってるから思ったこと全部口にしてる気がします」
懐かしいと口走った本人も驚いたような顔をしそのあとすぐさま不貞腐れたように顔を顰めた。
「何か懐かしいことでも思い出しました？」
「なんというか……」
言うか言わまいか迷ってるのか、言葉を選んでるのか、少し唸っている様子が少し面白い。
この人、酔うとなんか、自由だな。さっき謝ってきたときもすごい深く頭下げててちょっと面白かったし。
「なんていうか、昔に戻った感じ…っていうんですかね」
辿々しく述べる彼女に視線を向けると彼女の視線は下を彷徨いている。
「降谷くんと、こうしてちょっと仲良くなって、なんとなく、みんなで会ったときのこと……思い出して」
懐かしいなぁなんて、とへらりと弱々しい笑顔。
「…ごめんなさい、急に」
「いえ」
さきほど伝えた友人たちの死。
面食らったような、呆然と、でも彼女なりに少しずつその事実を受け入れたらしい返答にこの人は強いんだなと思った。
けど眼前の彼女の表情から察するにやはり短時間で受け入れられる内容ではないよなと思い違いをした自分に呆れる。
…思い違い？
あの日。ミラー越しに目が合った彼女。貼り付けたような笑顔。その前の泣き出しそうな震えた声。
わからない。
俺は彼女に対して何か思い違いをしていた…？一体何に。一体どこに。
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理那(プロフ) - ありがとうございました。本当に素敵なお話でした。 (2020年7月7日 16時) (
レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
かものはし子(プロフ) - お萩さん» コメントありがとうございます(*^^*)頑張っていきます！ (2019年5月17日 22時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
お萩 - わー！とっても素敵ですね！ふるやさんこわーい「棒」 これからも頑張ってください (2019年5月17日 20時) (レス) id: c0a94bdd1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かものはし子 | 作成日時：2019年5月16日 3時
