Sugar (ページ5)

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お邪魔しますと言いかけるチャニョンを慌てて遮り、1人先に家の中へ入るとその辺にちらばっている服や靴下、お菓子の袋、干したままの下着などをフルスピードで回収し、洗濯機に詰めた。

玄関扉の外からチャニョンが何か言っているが、もにょもにょと声が小さすぎて理解はできなかった。恐らく催促だろう。

心を少し落ち着かせるために小さく息をつく。

どうかしてる、と自分でも思う。

知らない人、それも男の人を泊めるなんて。

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「そういえば自己紹介してなかったね」

気まずそうに部屋の端で座っているチャニョンに声をかけて、部屋の真ん中にある机に誘導するよう温かいお茶を差し出した。

「高橋Aです。」

『イチャニョンです』

「日本から来たブリズ大学国際学科の2年生で、大学入る前に語学堂に居たので年齢的には2個上です。大学では日本のサークルに入っていて、カフェでバイトしてます。」

『アメリカから来て、明後日入学する1年生です。サークルもバイトもまだ決まってません。家が燃えて、再建するのに8ヶ月はみた方がいいらしいです。』

「は、8ヶ月！？」

『さっき大家さんから連絡来て』

「その間家はどうするの？」

『え？』

「？いや、さすがにここには」

『…ずっといるつもりだった……から大家さんにそう言っちゃった……』

「？？？？？」

『ヌナ、Aヌナ。一生のお願いです。家が再建するまでここにいさせてください』

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