8:愛おしい子。 ページ8
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_____そして1ヶ月後
10分間隔でやってくる陣痛。
もうすぐ・・・この子に会えるんだ
期待と、緊張と不安。
いろんな感情でいっぱいいっぱい。
宏光と私の・・・たった一人の愛おしい子。
宏光には知られない・・・尊い命。
私が沢山愛して沢山一緒にいて
これから2人で幸せに過ごしていくんだ。
「A、もうすぐだからね。
私の手掴んでていいから」
この数日、出産が近付いてる私のそばに
ずっと居てくれた里奈
タクシーで一緒に急いで病院へと向かう
想像以上の痛みが私を襲って
そんな時に限って、宏光の笑顔が頭に浮かぶ
クシャッて。
大好きだったなぁ・・・
この子もそんな風に、笑うのかなあ
痛みなのか苦しみなのか
涙は溢れて止まらない
「_______オギャー オギャーーーァ 」
陣痛から約10時間程が過ぎ、
元気な産声と共に最愛の人との子は産まれてきてくれた。
「おめでとうございます
元気な男の子ですよ〜」
笑顔で助産師さんがその言葉をくれたとき、
一気に全身の力が抜けて
もう涙腺なんて緩みっぱなしで
タオルに包まれて産声をあげる私の子。
小さくて・・・尊くて
「・・・ありがとうっ・・・ありがとうね。」
産まれてきてくれて、
本当にありがとう
本当に本当に無事に生まれてきてくれて
ありがとう
早くこの子の顔が見たいのに、
暫く涙が邪魔をしてしっかりと見ることが出来なかった。
そしてやっと・・・、
この子の顔をちゃんと見れた時
「・・・・・・っう・・・うぅ・・・っぁ。」
綺麗な目が宏光にそっくりだと感じて
本当にこの子は宏光と私の子なんだって
今やっと実感したんだ。
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むむそ(プロフ) - 難しいお話かもしれませんがとっても好きなお話です…!更新楽しみにしております…!! (2023年4月7日 21時) (レス) @page21 id: 4e14cc707d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴの。 | 作成日時:2022年12月24日 6時