検索窓
今日:9 hit、昨日:15 hit、合計:13,901 hit

7:半年後。 ページ7

.






_____ 半年後









「その体勢辛くない?」





「うん、大丈夫。」









すっかり大きくなったお腹。





ここ最近、里奈は私の家に通ってくれて


めちゃくちゃ体調の心配をしてくれてる。







この半年間、本当に色々と大変で



2児の母である里奈がすごく逞しくみえる。









そして私は相変わらず泣き虫なのは変わらなくって




強くならなきゃと毎日自分に言い聞かせてたけど



強がることと、強くなることは違うって



里奈に叱られてから



無理して涙を堪えることはやめた。









でもこの子が産まれたら



精一杯愛してたくさん抱き締めて



一緒に幸せな日々を送りたい









この子の前では涙は流したくない









「クリーム塗ったげる。」


「ありがとう。」


「靴下履いたりするの大変でしょ。」


「うん、大変。」


「あともう少しでこの子に会えるんだね
無事に産まれてきますように。」









温かくて優しい手で
私のお腹にクリームを塗ってくれている。





里奈、本当にありがとう。









里奈のお陰で私、心が壊れずに


こうして笑っていられるんだよ









テレビの前に置いてある写真立て。





笑い合ってる私と宏光


その写真を見る度に


一瞬だけあの時に戻れるんだ








宏光とただ一緒にいて幸せだったあの日々に。









あの頃の感情は今でもよく覚えている






幸せだなーとか好きだなーとか


きっとほとんど毎日そんなことを考えていた







たまに、寂しかったり 喧嘩した時には


大っ嫌い!ってなったり









沢山の感情が日々の中であって



変わらず今も、宝物みたいに大切な思い出なんだ。







「里奈、私さ・・・やっぱりこれからも
宏光のこと応援していきたいな
影でひっそりとだけど。」


「・・・辛くないの?」


「うーん、どうだろう。
でもどうしたって忘れられないから。

それにね、今も・・・指輪付けてくれてるんだ」



「そっか、宏光って本当に
Aのことが大好きだもんね。」







今も、私の事を好きでいてくれてるのかな?





宏光が変わらず指輪をはめている姿を
テレビで見る度に、




私のことを待ってくれているのかな・・・って。




自惚れかもしれないけど、




そう思うんだ。







だけど私はもう宏光の元へは戻れないから


その指輪が宏光の指から外れた時、








宏光の新たな幸せを願えるようになってたい。

8:愛おしい子。→←6:家庭の味。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (74 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
346人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

むむそ(プロフ) - 難しいお話かもしれませんがとっても好きなお話です…!更新楽しみにしております…!! (2023年4月7日 21時) (レス) @page21 id: 4e14cc707d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴの。 | 作成日時:2022年12月24日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。