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3:選択。 ページ3

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「・・・A、本当にもう決めたんだね。」









新しい部屋はもう借りてあるけど



どうしても心細くて




親友の里奈の家に寄った。









「うん、これから1人で
この子をちゃんと守っていきたい。」








「1人なんて言わないで
私も支えていくから・・・」








「ふふ、泣かないでよ・・・里奈
本当にありがとう。」




「Aも泣いてるじゃん・・・。
いつでも頼っていいから
子育てのことならなんでも聞いて。
絶対頼りになってみせるから。」









力強く私を抱きしめてくれる里奈は
もう2児の母で





優しい腕が心地よくて




私もこんな優しい腕で
子供を抱きしめてあげられるような


そんなお母さんになりたいと思った。






新しく契約した部屋には


最低限の家具と家電しかなくて





なんの温もりも感じないこの部屋が


冷たくて寂しい。









そう思うのは今まで



温かすぎる場所に居たからなんだよね。









自分で決めたことなのに




もう、戻りたくなっちゃってるよ。




今すぐ宏光の所へ行ってギュッてしてもらって




そしてやっと落ち着くんだ









けど当たり前にそれももう出来ないから




いい加減気持ちを切り替えて




これから過ごしていくつもり。









妊娠が発覚した時、



宏光は家に居なくて







漠然と頭が真っ白になったんだ




これからどうしようって単純にそう思った。







もちろん私には産まないという選択肢はなかった




大好きな人との子だから産みたいって思えた。





時間が経つにつれ



既にお腹にいる子のことが愛おしくて








けど同時にこの子を産む決断をした時には



もう宏光の傍には居られないって思った。









だって宏光は、“ アイドル ” だから。









宏光の笑顔は沢山の人を幸せな気持ちにさせて





惹き付ける歌声で沢山の人が希望を持つ





力強いダンスに魅せられて





色んな人が宏光のことを支持してる









そしてそんな魅力を持った宏光が


輝いていくのはまだまだこれからで







その夢の途中を私が邪魔しちゃいけないんだ。









仕事に真剣に取り組む姿を



傍で見て支えていきたいって思ってきたからこそ









私はこの選択をした。

4:傍にいない日々。→←2:ふたり分の愛情。



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むむそ(プロフ) - 難しいお話かもしれませんがとっても好きなお話です…!更新楽しみにしております…!! (2023年4月7日 21時) (レス) @page21 id: 4e14cc707d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴの。 | 作成日時:2022年12月24日 6時

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