検索窓
今日:13 hit、昨日:3 hit、合計:13,890 hit

20:愛しすぎる宏光。 ページ20

.





きっと、宏光の声の震えは

真実に気づいたからじゃなくて





私への怒りが原因なんだね。





きっと、この子を



私と他の男の人との子供だと勘違いしてるんだ。









思いっきり首を横に振って、


否定したいけど、









そういう事に、



するしかないんだよね。











「・・・聞いてんのかよ」









苛立ってるのが分かる宏光の声。


怖くて思わず後退りした








落ち着きそうだった宏斗の泣き声も


どんどん大きくなって









宏光は何も知らないから悪くない


そんなの分かってる


自分が決めたことだし


全部受け入れるつもりだった。





私一人で背負えばいいんだ。


嘘も秘密もこの子の未来も。









「ごめん、この子苦しそうだから・・・。」









なんとか声を振り絞って


宏光が口を開く前にドアを閉めた。









「・・・・・・っ・・うぅ・・・ぁ・・・。」









どうしようも出来ないこの感情が
全身が痛いくらいに苦しくさせる


宏斗の泣き声に紛れるように私も泣いた。

できるだけ声を押し殺して

ドアの向こう側の宏光には聞こえないように。









こうなるから、



会いたくなかったのに・・・。









どれだけ冷たい視線を向けられようと、


私は温かい宏光の腕が忘れられない





今も目の前にすると



その腕に収まってしまいたくなる









全てを打ち明ければきっと、



宏光はそうしてくるんじゃないか









愛しすぎる宏光を目の前にすれば



堅いはずの意思も



簡単に揺らいでしまいそうなんだ。



「どうしてないてるの?」









リビングで大人しく待ってくれてた
マユちゃんが泣いてる私のところに来て
私を不思議そうに見上げる









「なんでもないよ、
もうイチゴ食べちゃった?」




「うん!」









そろそろ宏斗を抱っこしてる腕が限界。


ゆっくり下ろせば、
ようやく宏斗は落ち着いて

泣き止んでくれた。









「ごめんね、苦しかったよね」









涙で濡れた頬に触れれば、余計に苦しくなる









こんなに小さな子の前であんな嘘つきたくなかったのに。









「ただいまー・・・って何があった?」









暫くして、何も知らない里奈は
大きな袋を両手にぶら下げて帰ってきた。

21:幸せになれる方法。→←19:誰の子?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (74 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
346人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

むむそ(プロフ) - 難しいお話かもしれませんがとっても好きなお話です…!更新楽しみにしております…!! (2023年4月7日 21時) (レス) @page21 id: 4e14cc707d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴの。 | 作成日時:2022年12月24日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。