11:嘘。 ページ11
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「お前・・・なにしてんの?」
今 宏光は多分、私の目を見て話してる
だけど私は宏光の目を見ることなんてできない
もう引き返せないよ。
やり切るしかない 乗り切るしかないんだ
本当は苦しくても寂しくても
そうじゃないフリをしなきゃ。
じゃないと、今まで離れてた時間も
私の勝手な決意も
全部無駄になって・・・何もかも壊してしまう
「なんで急に俺の前から居なくなった?」
もうカゴに入れたアイスなんて
どうでもいいから
早くこの場から逃げ出したい
責め立てるような口調で
私に近づくから・・・、
私が突然居なくなった理由を知ろうとする宏光が
怖くて後退りをしてしまう
今でも大好きな人なのに、
離れたあの日から1度も忘れたことなんてない程
ずっとずっと大切な人なのに
その名を呼んで、胸に収まることなんて
もう許されやしない。
「聞いてんのか?」
聞いたことないくらい低い声。
寝起きの低いトーンとかそんなの比じゃないくらい
本気で私に怒ってる
その怒りがちゃんと伝わって・・・
だけど、宏光・・・
黙ることしかできない私を許してほしい
何も言えないのは
嘘はつきたくないからだよ。
宏光がこの世で1番嫌いなのは嘘だって知ってるから
「何も答えないんだな・・・
お前にとって俺の存在ってそんな程度だったんだ
なんか俺、馬鹿みたいだな」
もう私の答えを待つことも無く
宏光はそれだけ言って外に出て行った。
「ごめん・・・Aちゃん。
キタミツも本当はあんなこと言うつもり
なかったと思う・・・
けど・・・何も言わずにいなくなるのは
あまりにも酷いんじゃないかな」
「・・・。」
分かってる、分かってるよそんなこと。
宏光に酷いことして傷つけたのは私だよ。
だけどじゃあ・・・どうしたら良かったの?
何もかも打ち明けるべきだった?
そしたらきっと、
宮田くんだって困ってたかもしれないよ?
宮田くんが宏光のことを大事に想ってることは
十分伝わる
だから私の事、許せないんだよね
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むむそ(プロフ) - 難しいお話かもしれませんがとっても好きなお話です…!更新楽しみにしております…!! (2023年4月7日 21時) (レス) @page21 id: 4e14cc707d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴの。 | 作成日時:2022年12月24日 6時