鐘が鳴るまで【白石蔵ノ介】 ページ46
「___姫!」
十二時の鐘が鳴ろうとしている。
それに気づいた私は、急いでお城を出た。
私を追いかけてきたのが、この王子である。
『……王子。私はもう行かなければならないのです』
「そんな、どうして……?」
魔法をかけられたから、なんて言えない。
私は所詮、ただの召使いでしかない。
『言えません。でも……きっとまた会えます。さようなら』
私は王子に向かって微笑み、立ち去る。
____はずだった。
「待ってください!」
王子が、私の腕を掴む。
『王子……私は、十二時までに帰らなければならないのです』
「知っています。でも、まだ十二時じゃない」
腕を手繰り寄せられて、私を抱きしめる。
「今は……鐘が鳴るまでは、俺のもとにいてください」
ああ、涙が溢れてきそう。
この2人の間には、とっくに愛は成立していた。
___行かなければ。
本能が思うまま、私は腕の中から離れた。
「姫……」
『もう、行かなければならない。ですが、いつか必ず、迎えに来てくださいね?』
私は心の底から微笑んで言った。
「___ええ、もちろん」
私は王子に向かって再度微笑み、階段を急いで降りる。
いつか、王子が私とまた会えるように。
___ガラスの靴を残して。
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spark(プロフ) - ちろさん» ありがとうございます!自分で書いててマジで柳さんが王子様に見えてきた…///これからもリクありましたらじゃんじゃんお願いします! (2019年1月1日 14時) (レス) id: 90c4c16584 (このIDを非表示/違反報告)
spark(プロフ) - ももいちご。さん» 大丈夫です!ボードなら見れますので、待っています! (2018年12月30日 11時) (レス) id: fff401854f (このIDを非表示/違反報告)
ももいちご。(プロフ) - sparkさん» ボードじゃダメですか?こちらだと少し言いにくいので…… (2018年12月30日 11時) (レス) id: ade25ba987 (このIDを非表示/違反報告)
spark(プロフ) - ももいちご。さん» すみません!コミューを見たのですが、どこにも無くて…!長くなっても構いませんので、こちらのコメ欄にて感想、お願いします! (2018年12月30日 11時) (レス) id: fff401854f (このIDを非表示/違反報告)
spark(プロフ) - 了解です!今見ますね! (2018年12月30日 11時) (レス) id: fff401854f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:spark | 作成日時:2018年12月6日 18時