“好き”の色【テニプリ】

流れ星に願って【忍足謙也】 ページ40

「＿＿＿分かった！おれが、ずっとまもってあげるで！」
『……ほんと？』
「おん！ずーっとや！」
『ありがとう、けんやくん！ずーっとまもってね！』
「もちろんや！」

幼い頃に、そう約束した。
彼、忍足謙也くんは、まるで流れ星。
あだ名の「浪速のスピードスター」のように、すごく早い。
それに、輝いている。
だけど、流れ星とは決定的に違うことがある。
それは、「輝きの長さ」
流れ星は一瞬で消えてしまうけど、謙也くんはそうではない。
早くて、綺麗で、凄く……長く輝いている。
いつの間にか私は魅了されてしまっていた。
あの輝きと、太陽みたいな笑顔に。


＿＿＿だけど、その約束が、謙也くんを縛り付けている。
謙也くんは、他の子が好き。
でも約束があるから……謙也くんは、付き合えない。
だって、「ずっとまもってあげる」んだから。

「ハハッ、Aは面白いな！」
『えー、そう？』
謙也くんは笑っているけど、目は私の方向に向いていない。
目は、謙也くんが好きな、あの子。
まーた目で追ってる。
そんな事、言わないよ？

『ねえ、謙也くん』
「ん？何や？」
『あの頃の約束……覚えてる？』
「もちろんや！俺がAをずっとまもってあげるって約束やろ？」

やっぱり謙也くんは覚えてた。
心に、2人の自分がいる。

謙也くんを繋ぎとめたいと思う私がいる。

謙也くんの恋を応援したいと思う私がいる。

2つの気持ちで揺れる。
残念だけど、恋を応援したりしないよ？
約束を無効にしたりしないよ？
だってこの約束で、ずっと……


＿＿＿謙也くんを繋ぎとめられるから。

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