【地縛少年花子くん】ショタコン、成仏できず。

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｢浮けない｣

｢幽霊力が足りないんじゃない？｣

｢なんですかそれ。女子力の幽霊版みたいな？｣

｢そうそう｣

｢適当言ってますよね｣

｢まっさかァ｣

｢まぁいいや。どうしたら幽霊力上げれますかね？｣

｢んー……これ付けてみたら？｣

花子くんはごそごそとポケットを探り、何かを取り出した。


｢これは？｣

｢天冠。死んだ人が頭に付けるやつ｣

｢なるほど、これで私も立派な幽霊ですね｣

私は花子くんから天冠とやらを受け取り、頭に装着した。


｢ではいきます。ふっ、ぬぅぅぅ……！｣

やっぱり私の体は浮かない。

｢無理みたいです｣


私は真剣に花子くんの方を見る。すると、花子くんは我慢の限界とでも言うように吹き出した。


｢ぷっ、あははは！ (ミョウジ)ってば、ホントにそんなんで浮けると思ったの？｣

｢なっ！ 花子くん騙したんですか！？｣

｢まぁまぁ、そんな怒んないでよ｣

｢うるさいです！ 今回は花子くんが悪いでしょう！｣

｢くひひ、だってさァ｣


少しだけ腹立ってはいたものの、内心は『このいたずらっ子ショタめ！ なんて可愛い笑い方なんだ！ 好き！！』 みたいな感じだった。

花子くんは一通り笑ったあと、ふぅ、と息を一つついた。


｢力を入れるんじゃなくて、逆に抜いたら良いんだよ。ほら、リラックスして自分の体が軽くなるのをイメージして｣

｢力を抜いて、体が軽くなるイメージ……｣

言われた通り、ふっと全身から力を抜いてみる。

｢ふー……｣

さらに体の中のものを全て出し切るように息を吐いた。その瞬間、ふわりと微かな浮遊感。

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