検索窓
今日:19 hit、昨日:2 hit、合計:70,482 hit

13. ページ35

「なんか食べたい」


もはや恒例になりつつある、何かが始まる前の私の一言。


「なんかって?」

今回はまだマシな話題だったのか、花子くんは特に嫌そうな顔はしなかった。


「美味しいものとか、好きなものとか」

「好きなもの……(ミョウジ)って何が好きなの?」

「ショタ」

「……」


一瞬にして花子くんの目が据わる。


「ごめんって!」

「はぁ……それで? 好きな食べ物はなに?」

花子くんは“食べ物”の部分だけを強調して言った。


「………………笑わないですか?」

「なんで? 笑うわけないじゃん」


花子くんは不思議そうに言う。
花子くんが私の好きな食べ物を知ったくらいで笑わないなんてこと分かってる。しかし、どうしても私自身ですら自分の嗜好に納得出来ない。もう少し女の子らしいものを好きになれなかったのか、なんて考えたりもした。でも、どう抗おうと私はあれが好きなのだ。


「…………ふ」

「なんて?」


花子くんは私の声を聞き取ろうと顔を近付けてくる。やめて可愛いから。


「……ごま、どうふ」

「ごま豆腐?」

「……うん」


あまり聞き覚えのない単語だったのか、花子くんは数秒視線を泳がす。


「あの、ごま味の……豆腐?」

「そうです……やだ、恥ずかしいな……」

「俺それ食べたことないんだけど、美味しい?」

「美味しいですよ。好みによりますけど、私は冷やしてからお醤油で食べるのが好きなんです」

「へぇ〜、俺も一回食べてみたいな」

「機会があれば是非! ほんとに美味しいので! それで、花子くんは?」

「何が?」

「好きな食べ物ですよ! 花子くんの!」

「俺ぇ? いいよ、俺の話は。それよりごま豆腐の話しようよ」

「これ以上どうやってごま豆腐で話を広げるつもりですか……。いいじゃないですか、教えて下さいよ」

「いいって」

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
100人がお気に入り
設定タグ:地縛少年花子くん
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シズ - 見ながら爆笑してしまいました(笑) 続き楽しみです (2022年8月22日 2時) (レス) @page46 id: 7fbee373af (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - ニコさん» そう言って頂けて嬉しいです! 分かります! 土籠先生攻めいいですよね…ネタがあればまた書こうかなと思います! (2020年3月3日 7時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 好きです!個人的には土籠先生攻めも結構好きです (2020年3月3日 2時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - 腐った人間さん» 自給自足の為に生み出したものなので、他の同士にも供給出来て嬉しいです! 正直この作品はノリだけが命なので、そう言って頂けて良かったです! 拙いですが、これからもお付き合い頂けると嬉しいです! (2020年3月1日 16時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
腐った人間 - あ、好きですショタの供給ありがとうごさいます最高です()ノリがよくてすごく読みやすいです!これからも頑張ってください! (2020年3月1日 15時) (レス) id: a770919e54 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:被苦人 | 作成日時:2020年2月10日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。