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「……(ミョウジ)」

私が逃げて行くねこを目で追っていると、花子くん小さく私の名前を呼んだ。


「ん? なんですか?」

花子くんは少しの間モジモジとして、やっと口を開いた。


「そんなに……可愛かった? さっきものまねこが化けてたの……」

「え……」



心臓が止まるかと思った。

「もしかして……ジェラシー?」


花子くんは何も言わなかった。俯いてしまって顔も見えない。ただ、耳だけは真っ赤になっているのが見える。

やっぱり私は我慢出来ず、今度は私が花子くんを抱き締めた。


「花子くんが一番可愛いに決まってるじゃないですか!!」

「そっか……」

花子くんは嬉しそうな声音で言った。


「花子くんは私の一番のショタでもあるし、一番のイケメンでもあるんです!」

「一番のイケメン……?」

花子くんは不思議そうに言った。


「そうです! だから、何においても花子くんが私の一番なんです! もう目移りなんて絶対にしません!」


あまりに私が熱く語るものだから、花子くんはまた恥ずかしそうにそっぽを向いてしまった。それでなんだか私も恥ずかしくなってきて、思わず体を離した。


「あ、え……っと」

「自分で言っといてなに照れてんのさ……」

「う、うるさいですよ……」

「……」

「……」

「……帰ろうか」

「……そうですね」


立ち上がって旧校舎の方へ歩いていく。窓から空を見ると、なんだか月が綺麗だった。

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シズ - 見ながら爆笑してしまいました(笑) 続き楽しみです (2022年8月22日 2時) (レス) @page46 id: 7fbee373af (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - ニコさん» そう言って頂けて嬉しいです! 分かります! 土籠先生攻めいいですよね…ネタがあればまた書こうかなと思います! (2020年3月3日 7時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 好きです!個人的には土籠先生攻めも結構好きです (2020年3月3日 2時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - 腐った人間さん» 自給自足の為に生み出したものなので、他の同士にも供給出来て嬉しいです! 正直この作品はノリだけが命なので、そう言って頂けて良かったです! 拙いですが、これからもお付き合い頂けると嬉しいです! (2020年3月1日 16時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
腐った人間 - あ、好きですショタの供給ありがとうごさいます最高です()ノリがよくてすごく読みやすいです!これからも頑張ってください! (2020年3月1日 15時) (レス) id: a770919e54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:被苦人 | 作成日時:2020年2月10日 10時

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