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「はぁ……そもそもお前、七番にセクハラしてるのか」
「えぇ、まぁ、はい。大体は未遂で終わってますけど」
「やめなさい」
「えぇ〜、そんなのつまんない」
「イケメンはセクハラしないんだろ?」
「そうですけど……」
「……だいたい、あいつにセクハラして何がいいのか分からん……」
「そんなの先生が分かってたら私の好きなそれになっちゃうじゃないですか。またやっちゃいます? 花子くんに、今度は床バージョンで。死んじゃったせい供給不足なので是非やって頂きたいものですけどね」
「また七番に怒られるんじゃないのか」
「先生が自主的にやってくれたら、私は通りすがりの思わぬ供給を得た腐女子でいられるんですけど」
「なんだ自主的って……しねェよ」
「ま、ですよね〜」
会話に一段落ついたところで、私はく、と体を伸ばす。
「はー、今日はもう帰ろうかなー」
「本当に何しに来たんだ……」
「あはは、やっぱりそう思います? 先生とお話しに来ただけですよ。勢いで女子トイレ飛び出してきちゃったんで、そのついでに」
「ついでって……お前なァ……」
「先生もなんだかんだ付き合ってくれるし、ほんとに優しいんですね。私も中等部からこの学園入ればよかったなぁ。そしたらもっと早くに先生のこと知れたのに」
「……そうだな」
「じゃあ私もう行きます。また機会があったら花子くんと3人でお話しましょうね!」
私はブンブンと手を振りながら境界を出た。
先生は気付いてないかもしれないけど、私がこうやって先生の所に来るのは、単純に子供の私が大人の先生に懐いてるだけなんだ。先生は花子くんとは違った安心感があった。
一度でいいから先生に担任を持ってもらいたかったな、なんて今更なことを思ってみたりもした。
「はー、やめよやめよ。悲しくなるだけだもんね」
一体いつになったら成仏出来るのだろうか。もしかしたら、もう成仏は出来ないのかもしれない。そうなれば、私も花子くんと同じような地縛霊でも目指してみようか。
「……あほらし」
幽霊になってかなりの時間が経つ。一体私はどうしたいのだろうか。生前の記憶は鮮明に残っているのに、何も分からない。全てを知った上での無知。これが案外苦しいものなのだ。
気付けばもう夜だった。校舎の窓から見る月が新鮮に感じる。今日は早いとこ花子くんの元へ帰ろう。
そう呑気考え、後ろから近付く気配には気付けなかった。
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シズ - 見ながら爆笑してしまいました(笑) 続き楽しみです (2022年8月22日 2時) (レス) @page46 id: 7fbee373af (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - ニコさん» そう言って頂けて嬉しいです! 分かります! 土籠先生攻めいいですよね…ネタがあればまた書こうかなと思います! (2020年3月3日 7時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 好きです!個人的には土籠先生攻めも結構好きです (2020年3月3日 2時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - 腐った人間さん» 自給自足の為に生み出したものなので、他の同士にも供給出来て嬉しいです! 正直この作品はノリだけが命なので、そう言って頂けて良かったです! 拙いですが、これからもお付き合い頂けると嬉しいです! (2020年3月1日 16時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
腐った人間 - あ、好きですショタの供給ありがとうごさいます最高です()ノリがよくてすごく読みやすいです!これからも頑張ってください! (2020年3月1日 15時) (レス) id: a770919e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:被苦人 | 作成日時:2020年2月10日 10時