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…
「それじゃーまず、事情聴取からね」
「事情聴取?」
「そ、成仏したんいんだったら、現世にどういう未練があるのか知らないと」
「なるほど」
花子くんは「よっと」と窓際に片膝を立てて腰掛けた。
「じゃあ一つ目、自分の未練についての心当たりは?」
「全くないです」
「自分が死んだ時ことは覚えてる?」
「はい」
「どうやって死んだの?」
「全身が焼けて死にました」
「うぇ……痛そう……。火事とか?」
「そうですそうです。さすがにビビりましたわ、起きたら周りが火の海ですもん。それからアチアチって思ってたら死んでましたね」
「君って意外とそういう子なんだね……」
「そういう子、とは?」
「まぁまぁ。そういえば名前聞いてなかったね」
「あぁ、私はAAと言います」
「(ミョウジ)ね。よし、じゃあ続き聞こうかな。(ミョウジ)は好きなものとか大事なものとかある?」
好きなもの……これはショタって答えていいのだろうか。大事なもの……これは秘蔵のショタ受けのBL漫画って答えていいのだろうか。まぁいい、既に死んでいる人間が何を恥じらうというのか。当たって砕けろだ。
「好きなものはショタで、大事なものはショタ受けのBL漫画です」
花子くんの動きが停止する。それもそうだろう、こんな可愛い男の子がショタなんて言葉聞く機会ないに違いない。それが正しい反応だよ、少年。
「ショタ……? びーえる……?」
「そうです、私は少年が好きなんです。特に黒髪の可愛い男の子が好きなんですッッ!!」
「そ、そう……それで、BL漫画っていうのは?」
「知りたいですか? いいでしょう教えましょう。BL漫画というのはですね、男性同士でエ ロいことをする漫画です!」
「エ ロいこと!!?」
花子くんは前のめりになって嬉しそうに声を上げる。“男性同士”というワードは一切聞こえていないようだった。
「エ ロいこと好きなんですか?」
「うん! スキ!」
「へぇ、するのが? されるのが?」
「されるって何? 俺男だよ? するのがに決まってんじゃん」
花子くんはじとっと怪訝そうな目を私に向ける。そんな顔も可愛いねぇ、少年は。
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シズ - 見ながら爆笑してしまいました(笑) 続き楽しみです (2022年8月22日 2時) (レス) @page46 id: 7fbee373af (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - ニコさん» そう言って頂けて嬉しいです! 分かります! 土籠先生攻めいいですよね…ネタがあればまた書こうかなと思います! (2020年3月3日 7時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 好きです!個人的には土籠先生攻めも結構好きです (2020年3月3日 2時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - 腐った人間さん» 自給自足の為に生み出したものなので、他の同士にも供給出来て嬉しいです! 正直この作品はノリだけが命なので、そう言って頂けて良かったです! 拙いですが、これからもお付き合い頂けると嬉しいです! (2020年3月1日 16時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
腐った人間 - あ、好きですショタの供給ありがとうごさいます最高です()ノリがよくてすごく読みやすいです!これからも頑張ってください! (2020年3月1日 15時) (レス) id: a770919e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:被苦人 | 作成日時:2020年2月10日 10時