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「っていうことがあったんです! どう思いますか先生!」
土籠先生の境界『16時の書庫』にて、私はそんな質問を先生にぶつける。
「どう思うって言われてもなァ……お前はイケメンになってどうしたいんだ?」
「そりゃあ、可愛い男の子とエ ッチなことがしたい」
「俺にその手の話題は無理だ」
「先生、諦めが早いというのもいいと思いますけど、やっぱり何事も挑戦することが大事です。さァ! 先生もご一緒に! 〇〇〇〇!!」
私は下ネタの代表ワードを叫ぶ。
「あれ、不思議な力で伏せられてしまったみたいですね。残念です」
「はぁ……そんなことのためにわざわざここまで来たのか?」
「いえいえまさか。先生にも聞こうと思って! イケメンになる方法!」
「なんで俺なんだ……」
「だって先生もイケメンじゃないですか」
「……わからんねェ」
「怪異というのは無自覚集団なんですか。ほんと困りますわ、そういうの。私がこんなにもイケメンになりたがっているというのに、当のイケメンたちは揃いも揃って自分がイケメンであるという自覚がないなんて。由々しき事態です」
「……」
先生はもう勝手に言わせておこうという体勢になっていた。私はそんなことも気にせずに続ける。
「だいたい、この前だって平気で壁ドンをやってのけたじゃないですか。壁ドンをやって許されるのはイケメンだけです。私の嗜好が一般的ではなかったせいでトキメキは少なかったですけど、あれは素晴らしかったです。女子の中でも身長の高い私が見上げるほどの長身、イケボ、そして申し分ない顔面偏差値。どれを取っても完璧。私がショタコンじゃなかったら、多分あの時一瞬で惚れてましたね」
「そうかい」
相変わらず淡白な返事だった。先生は花子くんのように褒めても照れてはくれないらしい。分かってたけど、少しだけ期待してた。
「そんな先生だから聞くんです! どうしたらイケメンになれますか!」
「七番はなんて言ってたんだ?」
「……イケメンはセクハラしない、と」
「その通りだ。以上」
「先生ノリ悪い!」
「なんだノリって」
私がわざとらしく怒ると、先生は面倒そうに溜息を吐いた。
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シズ - 見ながら爆笑してしまいました(笑) 続き楽しみです (2022年8月22日 2時) (レス) @page46 id: 7fbee373af (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - ニコさん» そう言って頂けて嬉しいです! 分かります! 土籠先生攻めいいですよね…ネタがあればまた書こうかなと思います! (2020年3月3日 7時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 好きです!個人的には土籠先生攻めも結構好きです (2020年3月3日 2時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - 腐った人間さん» 自給自足の為に生み出したものなので、他の同士にも供給出来て嬉しいです! 正直この作品はノリだけが命なので、そう言って頂けて良かったです! 拙いですが、これからもお付き合い頂けると嬉しいです! (2020年3月1日 16時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
腐った人間 - あ、好きですショタの供給ありがとうごさいます最高です()ノリがよくてすごく読みやすいです!これからも頑張ってください! (2020年3月1日 15時) (レス) id: a770919e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:被苦人 | 作成日時:2020年2月10日 10時