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「なんで俺がそんなこと……」
「いいからいいから、ちょっとだけ。ねぇ、お願いだってば、土籠せんせぇ」
土籠先生にあざとくお願いする花子くんの姿に、キュンと胸が高鳴った。
「はぁ……少しだけですよ」
何の話かは全く分からないが、先生は渋々それを了承したらしい。
本当に何の話か分からないが、先生は私の方へ歩み寄ってくる。私は訳もわからず後ろへ1歩、2歩、3歩。とん、と背中に本棚が当たった。全くもって何の話か分からない、だんっ、と私の頭上に置かれた土籠先生の左手。
「え……な、なに、これ……」
先生の奇怪な行動はそれで終わりではなかった。今度は右手を私の顎に添えて、くい、と持ち上げられる。顎クイというやつだ。
「え、ちょ、なに」
困惑する私を見て、先生はふっと一瞬だけ笑った。そして、ぱっと私から離れていった。
「これで満足ですかね、七番サマ」
「うんうん、いい感じだった! ご苦労さま!」
満面の笑みの花子くん。
「(ミョウジ)、どうだった?」
「……? なにが?」
「なにがって、壁ドン体験! したいって言ったじゃん」
それでハッとする。そういう事か。花子くんは盛大な勘違いをしていたのだ。
「まさか(ミョウジ)にもそんな普通の女の子みたいな願いがあったなんてね。びっくりしたけど、俺安心したよ」
本当に安心したような顔をする花子くん。しかし、私は叫んだ。
「ちがう!!!」
花子くんは目をぱちくりさせた。先生はどうでもよさそうに煙管を咥えて紫煙を燻らせていた。
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シズ - 見ながら爆笑してしまいました(笑) 続き楽しみです (2022年8月22日 2時) (レス) @page46 id: 7fbee373af (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - ニコさん» そう言って頂けて嬉しいです! 分かります! 土籠先生攻めいいですよね…ネタがあればまた書こうかなと思います! (2020年3月3日 7時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 好きです!個人的には土籠先生攻めも結構好きです (2020年3月3日 2時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - 腐った人間さん» 自給自足の為に生み出したものなので、他の同士にも供給出来て嬉しいです! 正直この作品はノリだけが命なので、そう言って頂けて良かったです! 拙いですが、これからもお付き合い頂けると嬉しいです! (2020年3月1日 16時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
腐った人間 - あ、好きですショタの供給ありがとうごさいます最高です()ノリがよくてすごく読みやすいです!これからも頑張ってください! (2020年3月1日 15時) (レス) id: a770919e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:被苦人 | 作成日時:2020年2月10日 10時