検索窓
今日:7 hit、昨日:25 hit、合計:70,495 hit

. ページ17

「なんで俺がそんなこと……」

「いいからいいから、ちょっとだけ。ねぇ、お願いだってば、土籠せんせぇ」

土籠先生にあざとくお願いする花子くんの姿に、キュンと胸が高鳴った。


「はぁ……少しだけですよ」


何の話かは全く分からないが、先生は渋々それを了承したらしい。
本当に何の話か分からないが、先生は私の方へ歩み寄ってくる。私は訳もわからず後ろへ1歩、2歩、3歩。とん、と背中に本棚が当たった。全くもって何の話か分からない、だんっ、と私の頭上に置かれた土籠先生の左手。


「え……な、なに、これ……」


先生の奇怪な行動はそれで終わりではなかった。今度は右手を私の顎に添えて、くい、と持ち上げられる。顎クイというやつだ。


「え、ちょ、なに」

困惑する私を見て、先生はふっと一瞬だけ笑った。そして、ぱっと私から離れていった。


「これで満足ですかね、七番サマ」

「うんうん、いい感じだった! ご苦労さま!」

満面の笑みの花子くん。


「(ミョウジ)、どうだった?」

「……? なにが?」

「なにがって、壁ドン体験! したいって言ったじゃん」

それでハッとする。そういう事か。花子くんは盛大な勘違いをしていたのだ。


「まさか(ミョウジ)にもそんな普通の女の子みたいな願いがあったなんてね。びっくりしたけど、俺安心したよ」

本当に安心したような顔をする花子くん。しかし、私は叫んだ。


「ちがう!!!」


花子くんは目をぱちくりさせた。先生はどうでもよさそうに煙管を咥えて紫煙を燻らせていた。

.→←.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
100人がお気に入り
設定タグ:地縛少年花子くん
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シズ - 見ながら爆笑してしまいました(笑) 続き楽しみです (2022年8月22日 2時) (レス) @page46 id: 7fbee373af (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - ニコさん» そう言って頂けて嬉しいです! 分かります! 土籠先生攻めいいですよね…ネタがあればまた書こうかなと思います! (2020年3月3日 7時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ - 好きです!個人的には土籠先生攻めも結構好きです (2020年3月3日 2時) (レス) id: 40dba85962 (このIDを非表示/違反報告)
被苦人(プロフ) - 腐った人間さん» 自給自足の為に生み出したものなので、他の同士にも供給出来て嬉しいです! 正直この作品はノリだけが命なので、そう言って頂けて良かったです! 拙いですが、これからもお付き合い頂けると嬉しいです! (2020年3月1日 16時) (レス) id: 2d39e952a2 (このIDを非表示/違反報告)
腐った人間 - あ、好きですショタの供給ありがとうごさいます最高です()ノリがよくてすごく読みやすいです!これからも頑張ってください! (2020年3月1日 15時) (レス) id: a770919e54 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:被苦人 | 作成日時:2020年2月10日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。