逆刃刀の女2【銀魂】

過去回想編9 Q「なんで怒ると口ご悪くなるんですか？A貴「んー？なんか自分を少しでも強くみせるため？みたいな？(…銀時の口調がうつったってのが主だけどね……) ページ23

晋助side

「このっ！黙れ小娘がっ！！！」

貴「っきゃ！！」

激昂した親父がAをドンっと突き飛ばした。
駆けよろうとするものの竹刀でなぎ飛ばされる。

「そこで武士とはなんたるか考えよ！！
甚兵衛こ奴に飯はあたえるな！！武士を愚弄するなど許さんぞ小娘！！！」

そう言いながら奴はAの胸ぐらを掴み此方へと放り投げた。

晋「くっ……！！」

放り投げ出された先に走って回り込み受け取めるがAは気絶していた。

くそっ！！

無力な俺は家に帰って行く親父をただただ睨みつけることしか出来なかった。

門の外には買い物袋らしきものが散乱していた。

買い物をした帰りにたまたま俺を見つけて飛び出してきたらしい。

晋(ほんとに……お節介な奴。」

貴「……高杉…君？」

おぶっている背中から声がして少しホッとする。

晋「起きたか。どっか痛くねェか？」

貴「う、うん…っ痛っ！！」
Aは一瞬顔を歪めて足首を抑える。

晋「捻ったのか？」

貴「だ、大丈夫だよ！これくらい！」

晋「無理するんじゃねぇよ。ちょうど神社がそこにある。少し手当してから家に送る。」

貴「…ありがとう。」

例を言わなきゃならねぇのはこっちの方なんだけどな。

神社に着くとAを降ろして、包帯を足首に巻く。足首は痛々しく腫れてしまっていた。

晋「すまねぇ。怪我させちまって。」

貴「いやいや！私が勝手にやったことだから！！」

ブンブンと手を振る姿を見てなんだかちょっと笑ってしまいたくなる。

何故か帰りはおぶさるのは嫌だと言うので横抱きにして運んだら顔を真っ赤にさせて恥ずかしがっていた。

晋(……かわいい。)

素直にそう思ってしまったのは不可抗力だ。

Aを送り届けた後あてもなく神社にいると桂がやってきた。

桂「やれやれ。俺はおにぎりの具は梅しか食わないと言うのに。お婆め。ツナマヨはないだろ。仕方ない神社にでも供えておくか。」

晋「…桂。お前の婆さん随分前に死んでなかったか。」
そう言うと桂はピタと動きを止めた。

桂「高杉…見つかったか…なにか。」

晋「なにも………ただ、俺が弱いことは分かった。俺より強いやつが山程いることは分かった。ならせめて…アイツらより強い侍になりてェ。」

そしてーーー

Aの笑顔が頭に浮かぶ。

晋(アイツを護れるくらいに強くなりてぇ。)



アイツの笑顔を見ると何度でも笑わせてやりたいと思う。

この時から俺は、
Aに惹かれていったんだろうな。

この感情に恋という名前がつくのはもう少し、
先の話。

過去回想編10晋幼「そういや、あいつが俺らのこと下の名前で呼んで良いか、だってよ。」小幼「あぁ。今度会った時に良いと言っておこう。ヅラじゃない桂だ！！」晋幼「テメェそれ言いたいだけだろ。」→←過去回想編8

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