人見知り ページ29
始めてAの歌声を聞いた時
"このグループのメインボーカルはこんな俺でいいのか"
なんて、焦りを感じた
I NEED UのガイドボーカルをしたAの声に勝てるのか、怖かった
「ジョングクさん、そんな硬くならないでください。
やっぱ、私とレコーディングするより他のPDオッパたちとの方がいいですか?」
俺が録音ブースに入って
Aがコントロールルームに入って調整、アドバイスをしてくれるんだけど
一小節歌っただけで、ヘッドホンから聞こえるAの声
JK「だいじょうぶ」
この小さくてはっきりしない声もAにとっては心配な材料だったに違いない
「じゃーもう一回同じところから」
音楽が流れてイメージしてるみたいに歌うけどうまくいかない
「んー最初のところは弱くしてください。力が抜けていくみたいにこうやって」
って歌ってみせるAの声はまさに俺のイメージそのもので悔しかった
もともと、”女”って存在が苦手でおばさんならいいけど、同世代なんかは特に好きじゃなくて
それが理由で初めの挨拶の時から苦手だった
でも、だんだん、Aがすごいってことに気づいて、ナムヒョンもよく「あいつは音楽のために生まれてきた天才だ」なんてベタ褒めで
ナムヒョンが言うならやっぱすごいんだって思って
確かに、I NEED UのメロディーもAが作ったって聞いたし
そうな風に思いながら、今はAの期待に答えられる歌を歌いたいって思った
「うん、今のいい」
その一言だけで、本当は舞い上がってるのに、そんな素振りも見せない俺は本当に人見知り
オッパなのに
そんな人に
”いい曲だったのでびっくりしました。ミニアルバムに入れてもいいですか?”
って言われて、さらには
”私はジョングクオッパの声が羨ましいです”
なんて言われて
なんで早く仲良くならなかったんだろうって思った
だから、少しでも近づきたくて、Aが夜中作業してる時は近くのソファで寝るんだけど
驚いたことか、宿舎で寝るよりもぐっすり眠れる気がした
「オッパ、起きて」
そう言って起こされる朝が好きなのかもしれないなとも思う
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作者名:jinna | 作成日時:2021年12月3日 22時