458 ページ12
side貴方
「なぁAちゃん」
談笑していると、ふと真剣な顔つきに変わった近藤さん。
何を言われるのか、何となく分かって私はただ笑みを返した。
「聞いたよ、お泊り会の事。もちろんコイツらも。聞いた上で『Aが話してくれるまで何も聞かない』という選択を出した。だから俺から聞くような無粋な真似はしない」
「………」
「君は本当に不思議な子だ。
_____どうか、コイツ等の記憶は消さないで欲しい
そう、真っ直ぐ瞳を見つめて伝えてくれる彼に私は今どんな
否定も、肯定も出来ない言葉。
消さなかった、消せなかった人達は何人もいる。
正しく言うと、消したけど消えなかった人達。
心のどこかで『この人達には』と思ってしまったからこそ、その力は弱まりふとしたきっかけで記憶が戻ったり、力が全く効かない時があった。
そして思い出させてしまう、あの惨状を。
醜い、��本当の私��を。
だからもう駄目なんだ、そんな風に思ってしまうのは。
「…君は、こいつらにとってかけがえのない存在だ」
「……そう言っていただけて、嬉しいです」
「お世辞なんかじゃないぞ。本当に、本当にAちゃんを______「近藤さん」」
ふるふる、と小さく首を振る。
分かってる、彼等が私を大切に思ってくれてる事。
仲間だと思ってくれてる事。
「_____私も、大好きなんです、彼等が。本当はずっと側にいさせて欲しい、こうして一緒に居てくれる事が、一番の幸せなんです」
「…なら」
「…でも、その感情を持つ事が許されないんですよね」
きっと今、酷い顔してる。
嫌だな、近藤さんにこんな顔させたくなんかなかったのに。
なんで話してしまったんだろう。
忘れて欲しくて、そ、と彼に手を伸ばす。
けど届く前に掴まれた手は優しく両手で包み込まれ、息を呑んだ。
「……させないよ。コイツ等に話せないというなら、俺が受け止める。…だから君は、一人になる道を選ばないでくれ」
「………っ」
向けられた笑顔に、掛けられた言葉に、出る筈もない涙が溢れそうになった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 682人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かっぱの子(プロフ) - 皆さまこんにちは！お知らせしていた日替りの件ですが、キャラの募集の締め切りを11月末(金曜)まで伸ばしたいと思います！是非是非たくさんの方の投票お願い致しますー！ (2018年11月28日 20時) (
レス) id: f7e5f708ce (このIDを非表示/違反報告)
あさき - 高杉さんに3票です！ (2018年11月28日 7時) (レス) id: bb36b65e09 (このIDを非表示/違反報告)
月閖 - 投票失礼します！高杉さんに1票、銀さんに1票、出来たらアレスの天秤の吉良ヒロトに1票。無理だったら桂さんでお願いします！ (2018年11月17日 14時) (レス) id: 459605d5e8 (このIDを非表示/違反報告)
シャープ♯(プロフ) - 投票で、高杉晋助に2票、沖田総悟に1票でお願いします！ (2018年11月17日 14時) (レス) id: b2ab8709a3 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新楽しみ(・∀・) (2018年10月19日 10時) (レス) id: 86c39b16fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かっぱの子
| 作成日時：2018年8月19日 20時
