【selly】道を間違えずに進めたら良かったのに。[完結]

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｢お風呂上がりましたー｣




今日はきちんとドライヤーまでして完璧だ
リビングに戻って報告したけど、またsellyさんは居なくなっていた



でも私が水でも飲もうと台所に方向転換したところにドアが開いてsellyさんがでてきた




｢A来て｣



｢あ、はい｣





まだ私が唯一入ったことのない部屋

2つの部屋のうちの1つ
私はsellyさんに呼ばれて急いでそっちに向かった




｢なんですか？｣




ドアから顔を覗かせるといくつものモニターに目が奪われた


なにこれ……サイバーテロとか指示官とかの部屋みたい





｢ここ座って｣



｢凄いですね、この部屋
仕事ってITとか？パソコン強いんですね｣




sellyさんが指し示す簡易の椅子に向かいつつ意識はそっちのけだ

こりゃアイドルとは程遠いわ……




回る椅子に座ってぐるりと机に向かった
目の前にはキーボードとマウスと、それからモニター


凄い、大学のより大きいよ、画面




｢何するんですか？｣



｢APEXだ、APEX｣



｢それは何？ゲーム？｣




｢あ、知らないの？｣



｢知らないですね｣



｢いいね｣




なにが？



sellyさんは私の横からパソコンの電源をつけた

真っ赤な画面が出てそこにはつい昨日見た、Crazy Raccoonの文字



え？と思い確認で私が今着てるパーカーを見る


このsellyという女の子と同じのが画面の中にも……




｢これもおじさんから貰ったの？｣



｢そう。コラボPCだ｣



｢Crazy Raccoonの？｣



｢galleriaとの……そう、それ｣




ふぅーん。と返したが全然理解はできてない
ついでに言うと、目の前の画面で何か始まった




｢ゲームってどんなやつですか？私、マリオしかしたことないですけど……
マリオ知ってます？日本の｣



｢知ってる知ってる。それと同じだ｣




｢でも私パソコンゲームしたことないよ……？AボタンとかＢボタンとかそれってパソコンだとどれなの？｣




｢ちょっと待て｣



｢あ、はい｣





sellyさんは私のを勝手に動かすとなにやらチュートリアルらしきものが始まった

きちんと日本語の字幕だ




｢これやって｣



｢分かりました｣




右端に出てるしゃがむやらスライディングやらジャンプやら、とりあえず指示通りキーボードを押してみる

そうしたらなんか、カラスみたいな人が字幕で話して次に進む




｢これなにがどうしたらマリオと同じゲームなの｣



｢敵倒すじゃん｣



｢……もうsellyさんのこと信じません｣

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