【selly】道を間違えずに進めたら良かったのに。[完結]

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お母さんに現状報告とか、適当にTwitterとかを見ていたら直ぐに時間は経ってしまってピッタリ20時になっていた


スマホはいけませんね……本当に





｢あ、Aさん出たの？｣




そしてsellyさんも手前の部屋から出てきた
コップ片手に私の方を見て｢んー｣と頭を傾ける

sellyさんこれよくやるな…





｢髪…あ、なに、風の｣



｢ドライヤー？｣



｢日本もドライヤーの？ドライヤー、するの？｣



｢どこにあるか分からなくって｣



｢聞くことしなよ｣



｢sellyさんもどこにいるか分からなくて｣



｢分かんないのばっかりね｣




まだここに来て数時間だからそれは許して欲しい
勝手に物色する訳にもいかないし



sellyさんはコップを置くとどこかに行って、そしてすぐにドライヤー片手に戻ってきた



慌てて私はそれを受け取りに行くと何故か持ち上げられる




え、なに




｢sellyさん？｣



｢小さいねぇ｣




｢いや、私小さくないですよ！普通です、普通｣




｢あ、違うの？｣



｢違います｣



｢届かないけど、これ｣




sellyさんが高く上げるそのドライヤーに私は手を伸ばすけど、これ以上無理するとsellyさんの体に触れそうで届かない




そしてむちゃくちゃsellyさんに笑われてる




｢もぉ…何してるんですか｣




｢ガキだ、Aさん｣



｢いや、それはsellyさんの方でしょ。こんないじわる｣



｢あ、オレか｣




そうです。と肯定するけど結局ドライヤーは天高くある
そしてそのまま移動した
私はそれに引っ張られるようにしてついていって、結局sellyさんがコンセントに挿した





｢これ｣



｢ありがとうございます……なんか素直に感謝できないこの気持ちはなんなのか｣




｢オレもお風呂だ｣



｢はい、いってらっしゃい｣




久しくあんな子供騙しをされてなかったのでなんとも言えない懐かしさと、おちょくられたことへの不甲斐感を味わいつつ私はスイッチをスライドさせた




私の音がブオーという騒音でいっぱいになって、壁に向かって風に当たり続けた

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