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シャワーを浴びて、何とか一息というところだ
初めはどうなることかと思ったけど、いい人と出会えてほんとよかった
新品の香りがするタオルで全身を拭いて、濡れた髪をゴムでまとめる
｢うーん｣
持ってきた部屋着を着たものの、鏡に映る私はここでは完全に場違いだ
｢さむぅ…｣
半袖半ズボン
20歳の女子が一人暮らしでよくする一般的部屋着だと思う
けど、ソウルって寒すぎる
シャワーで温まったはずの体は外気の冷たさで鳥肌を立てた
日本中心の世界地図を脳内に繰り広げて、記憶に新しい飛行機で見た韓国の形を当てはめる
北海道より上の位置にある韓国が寒くないはずがない
否、むちゃ寒い
うぅ、ぽかした
嘆いても上着は出てこないし、暖房を勝手につける権利もない
大人しく出よう
脱衣所を出てまたリビングに戻る
sellyさんは用事があると言っていたのでさすがにそこにはいなかった
｢はぁ〜………｣
今私には選択肢が2つ
お風呂から上がったことをsellyさんに伝えに行く
もしくは行かない
さっきの会話でお風呂上がったら教えるって話だったけど、用事って仕事じゃないの？邪魔するのもあれだし
この部屋に居ないってことは、閉じた扉ふたつのうちどちらかにいるということだ
いない方にノックとかしたら恥ずかしい、普通に
30分近く私はお風呂に入っていたようなので用事というのが何か知らないけど少し待った方がいい
気がした
うん。待とう。
私は2つの選択肢のうち、もしくは行かない。を選択して定位置となりつつあるソファーに腰かけた
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