ウンディーネの泪

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一方、その頃

エデンでは盛大な式典が行われようとしていた。

広い部屋の中、窓から空を見上げる男と

その後ろ姿を心配そうに見つめるもう1人の男。


HS「ナムジュン…最後にもう一度聞くけど
本当に、後悔はしないんだよな？」

NJ「ホソク、何度も言わせるなよ…
これで良いんだ、後悔はしない。もう決めたから」

HS「…そっか、それなら後はもう
黙ってナムジュンに着いていくよ…

この度はご成婚おめでとうございます、国王陛下」

胸に手を当てて頭を下げたホソク

NJ「ありがとう…少しだけ1人にして欲しい」

ナムジュンは振り返ること無く

ただ空を眺めてその時を待っていた。

ユンギが出て行った後、城内は大騒ぎになり

彼を国賊と罵倒し討伐隊まで出そうになった。

結果、彼のお父上がこの騒ぎの責任を背負い

自らの地位を手放す事で何とか重臣たちを収めた。

NJ「今日もよく晴れている…」



あの日、ユンギが放った言葉は

大きな衝撃を与え脳内にこびり付いた。

この国が土と水の精霊によって造られたのは

もちろん勉強していたから知っていたし、

干ばつに嘆く民達の為、何とかしようと

自分でも色々と調べては尽力していたのだ。

そんな時、ある本で新しい地を築けることを知った

精霊が居れば、例え一から始めるとしても

別の土地でなんとかやっていける…

Aと別れてからより一層、勉学に励んだ。

彼女が自らと引替えに守ったこの国を、その想いを

何としても紡いでいきたいと思ったから。

でも…知ってしまった事実は残酷だった。



体力も底をつき、遠くなっていく背中を

ただ見る事しか出来ずに荒れ地に倒れ込んでいた。

死ぬ…？誰が…どうして…

悟られまいと強がってみたものの

そんな雑念が頭の中に渦巻いて隙を作り、

手も足も出せずに打倒された。

HS「っナムジュン！！！」

暫くしてホソクが駆けつけ、城へ運ばれると

どうしても真実を確かめたくて、

止めるホソクを振り払い、体を引きずりながら

国王の居る部屋へ向かった。

NJ「失礼致しますっ…」

父「っ！ナムジュン、怪我をしているではないか
直ぐに治療室へと運んでやれ」

『っは！』

NJ「お待ちくださいっ、陛下にお聞きしたい事が
どうしても、お聞きしたい事があります…！」

父「言うてみよ」

NJ「この干ばつ…Aと関係があるのですか？」

父「…」

NJ「っ！そんな…」


伏せた瞳が答えだった。

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