検索窓
今日:19 hit、昨日:10 hit、合計:245,853 hit

…36 ページ36

日が昇る前に宿を出て、城を目指したユンギ

街は灯りも少なく静けさが広がっている

しかし、ユンギにとってそれは好都合だった。

頭からマント被り漆黒の髪から見えるのは

真っ白い肌の色だけ。

コツコツと靴の音だけが響いている

傍から見たら恐怖さえ感じるかもしれない…

ふと空を見上げれば、綺麗に輝く満月

目を閉じて鼻から空気を吸い込んだ。

YG「…」

思い出したあの頃に、ゆっくり弧を描く口

小さな幸せを噛み締めていた時だった…

『おいっ、お前。痛い目見たくなかったら
金目のもん置いて行きなっ!!』

どこから湧いて出てきたのか、

如何にも柄の悪い数人の男達に囲まれていた。

『無視してんじゃねぇぞ!』

YG「…面倒くせぇな」

『あ"?!クソガキがぶっ殺してや…っぐぁ』

『なっ、消えた!?…うぐっ』

舌打ちすると、瞬時に狙いを定め

男達の後ろに回り込み斬り伏せていく。

ユンギにとって人間の速さなど、

蝸牛と大して変わらないのだ。

バタバタと倒れ、残っている奴は1人だけ。

『来るなっ、こっちに来るな!
わっ、悪かった、謝るからやめてくれっ!!』

腰を抜かしながらも後ずさっていく男

マントに隠れた鋭い瞳が、男を睨みつけた。

男の悲痛な叫びは、4年前のあの日

城の前に引きずり出されたAの声を呼び起こした

初めて見た絶望に歪む顔、全てを諦めた瞬間の瞳

胸が詰まるような泣き声が耳にこびり付いている。

YG「お前ら如き人間がっ…」

『頼む!殺さな…』

容赦なく振り下ろされた剣

もう一度剣を振り付いた穢れを払い落とすと

静かに鞘に収め再び歩き出した。

ユラユラと暗い道を歩いていくユンギ

城の近くまで辿り着くと、地面を力強く踏み

そのままそばにある建物の上に登った。

城には所々、灯りがついて人影も見える

YG「やっぱり番兵が居るか…」

見つかって騒ぎになると面倒な事になる。

表からは入れそうにない為、迂回して探ろう

すると裏手の小さな入口から人が出てくるのが見えた

武装もして無ければ、見た感じ平民に見える…

暫くすると、また数人出てきた。

意識を風に集中させ、声が流れてくるのを待つと

『いやぁ〜今日もご苦労さん!
明日の仕込みも終わったし、帰って寝るだけだな』

『お疲れ様でしたっ料理長!
兵士の皆さんの食欲は底無しですからねっ、
作っても作っても足りないですよねー』

どうやら城で働いてる人間のようだ…



YG「ここだな」

…37→←…35



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (292 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
724人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リウ(プロフ) - 麻央さん» 初めまして(^ ^)お立ち寄りいただきありがとうございます。引き続きお楽しみいただけるよう頑張ります(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - ゆなさん» 初めまして(^^)たくさん読み返していただき嬉しいです。ありがとうございます。続編も出したのでそちらもぜひ宜しくお願いします(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
麻央(プロフ) - リウさま、初めまして。作品拝見しました。綺麗なタイトルに惹かれ、読み込んでいくうちに、物語の奥行きに圧倒されました。とってもあたたかく、胸が焦がれるような作品ですね。続きを楽しみにさせて頂きます^ ^ (2020年5月31日 21時) (レス) id: 9d4977984c (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - はじめまして!!このお話好きすぎてもう何回も読み返しています!続編楽しみに待ってます! (2020年4月29日 19時) (レス) id: 7b504efb24 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - カナタさん» ありがとうございます(^^)楽しんで頂けているようで、私も嬉しく思います。引き続き頑張りますので、どうぞ最後までお付き合いくださいね。宜しくお願い致します(^^) (2020年2月21日 2時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リウ | 作成日時:2019年5月28日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。