ウンディーネの泪

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そして今、私は部屋の真ん中で

肩から大きな布を掛けられ

テヒョンと向かい合って椅子に座っている。

「…テヒョン？」

TH「なぁに？」

「どうして、目の前に座っているの…？」

TH「Aのこと見ていたいから！」

「ん？…うん？」

TH「ジミン、可愛くしてよね？」

JM「…分かっています」


後ろに立っているジミンが、髪に櫛を通していく。

よくナムにもこうやって髪を梳いてもらっていた

他愛ない話をして笑い合いながら

ナムの優しい声が後ろから聞こえる。


NJ「Aの髪はサラサラで綺麗だね」

NJ「風で揺れるAの髪が好き」

NJ「ははっ、目閉じて小動物みたいだ
好きだね？頭撫でられるの、可愛い」

その時間が大好きだった…。


TH「おーいAっ、大丈夫？どこまで切る？」

「あ…じゃあ胸あたりまで」

JM「…分かった」

伸び切った髪を束ねて持ったジミンは

まず腰に下げてある短刀を抜き、髪に添えると

グッと力を入れ手を引いた。

パラパラと床に落ちていった亜麻色の髪。

JM「整えていくからじっとして」

そう言って、ハサミが髪を落としていくのを見守った

JM「ん、終わった」

TH「わぁ〜！髪結ってくれたの？
すごく可愛い！さすがジミンっ、A見て」

そう言って差し出された鏡を見ると

半分だけ掬い上げられた髪は白いリボンと共に

編み込むように結ばれていた。

「可愛い…器用なのね」

JM「別に」

TH「もう〜素直じゃないなぁ
何だかんだAの事、気にかけてるくせに！」

JM「んなっ、べ、別にそんな事ないです！」

「ありがとう」

JM「見てて暑苦しいからやっただけ」

TH「あはっ、とっても似合ってるよ
これは俺からの贈り物…付けていい？」

「ん？」

テヒョンの腕が頭の後ろに回ると、

首元が少しだけ、ひんやりとした。

TH「うん！やっぱり似合うね」

「これ…」

TH「Aに合うと思って買ったの、気に入った？」

「すごく高そう…ただでさえ私、テヒョンから
住む場所も食事もすべて貰ってるのに」

TH「俺が贈りたかったからあげるの、貰ってくれる？」

「…っ」

JM「物の値段で決めるな。そこにはテヒョン様の
気持ちがある…それを受取ってあげたらいい」

「…そうね、テヒョン？ありがとう
とっても綺麗、大事にするから有難く受け取るね」

TH「うん！」


首元で輝いた青い宝石は

Aの瞳と良く似合っていた。

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