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JN「あーっと、ここ座っていい?」

「ええ、どうぞ」

そばにあるベンチに腰を掛ける

思ったより小さかったせいで肩が触れそうになり、

なんだか落ち着かなかった。

JN「Aちゃんは城で働いてるの?」

「…いいえ、働いては、ない」

JN「え?…そっか。僕はね、毎日夕方にここへ来て
夕食の料理を手伝ってるんだ。

お金を貯めて、いつか自分の店を開くのが夢でね。
まだまだ失敗ばっかりなんだけどね〜」

「テヒョン…様の料理も作ってるの?」

JN「テヒョン王子?うん、最近食べやすいけど
栄養が豊富で力のつく料理にしろって言われて

料理長も毎日頭を抱えながら作ってるよ、あははっ
僕はそれも勉強になって楽しいんだ」

「本当に料理が好きなのね」

JN「あ、顔に出てた?」

恥ずかしげに首を触って笑う横顔は眩しくて、

その指には小さな傷が幾つも出来ていた。

JN「Aちゃんは好きなことある?」

「好きなこと……水遊び、とか?」

JN「えっ?…あ、だからさっきも
噴水に脚つけながら歌ってたの?あははっ」

「…うん」

本当は違うけど言えないから

JN「なるほどね…あ、そろそろ帰らなきゃ!
またここに来たらAちゃんに会える?」

「多分…」

JN「じゃあまた来るよ、うん。
きっとまた会えると思うから…送って行くよ?」

「あ、ううん。大丈夫…近いから」

JN「…分かった。じゃあまたね?」


手を振って別れた後、ジンはもう一度振り返り

城の中へ入っていくAの背中を見つめた。

JN「君は誰なの…?」


下っ端の仕事は多く、いつも帰りは遅かった

この日は特に雑用が多くて帰るのに時間が掛かった。

疲れ切った体を引きずるように

池のある道を通り城の出口まで歩いていた時…

少し離れた場所から声が聞こえた。

それはそれは透き通った綺麗な声

思わず脚がそこへ引き寄せられていた。

高い壁になっている草から少しだけ顔を覗かせると

月の光に照らされながら唄う1人の少女。

目を閉じ、空へ手を伸ばす彼女が余りに神秘的で

全身に何か衝撃が走った。

鳥肌が立って心臓が走るように音を立てる

胸を押さえて呼吸をすると、再び彼女を見つめた。

その時、不自然に跳ね上がる何かに気づいた

それは宙に舞い円を描いている…水だ

自分の目を疑ったジンは思わず後ずさった。

ガサッと草が揺れ、彼女の瞳がこっちを向く、

観念して姿を見せたジンは、心なしか少しだけ

彼女と話せる機会が出来たことに喜んでいた。

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リウ(プロフ) - 麻央さん» 初めまして(^ ^)お立ち寄りいただきありがとうございます。引き続きお楽しみいただけるよう頑張ります(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - ゆなさん» 初めまして(^^)たくさん読み返していただき嬉しいです。ありがとうございます。続編も出したのでそちらもぜひ宜しくお願いします(o^^o) (2020年6月10日 11時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)
麻央(プロフ) - リウさま、初めまして。作品拝見しました。綺麗なタイトルに惹かれ、読み込んでいくうちに、物語の奥行きに圧倒されました。とってもあたたかく、胸が焦がれるような作品ですね。続きを楽しみにさせて頂きます^ ^ (2020年5月31日 21時) (レス) id: 9d4977984c (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - はじめまして!!このお話好きすぎてもう何回も読み返しています!続編楽しみに待ってます! (2020年4月29日 19時) (レス) id: 7b504efb24 (このIDを非表示/違反報告)
リウ(プロフ) - カナタさん» ありがとうございます(^^)楽しんで頂けているようで、私も嬉しく思います。引き続き頑張りますので、どうぞ最後までお付き合いくださいね。宜しくお願い致します(^^) (2020年2月21日 2時) (レス) id: e661a1f981 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リウ | 作成日時:2019年5月28日 6時

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